新型コロナ新規感染者数 1週間平均 連休明け全国的に拡大傾向

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で前の週と比較すると大型連休明けから再び全国的に拡大傾向がみられ、39の都道府県で前の週より増加しています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、3月上旬までは新規感染者数は1日1000人前後でしたが、その後、感染の拡大傾向が続いています。

▽先月22日までの1週間の平均は前の週の1.28倍でしたが、
▽緊急事態宣言の期間に入った先月29日は、その前の週の1.12倍と増加のペースが下がり、
▽今月6日は0.95倍と減少傾向になりました。

これは大型連休で医療機関が休診し、検査数が減ったことなどが影響している可能性があります。

しかし、連休が明けて、
▽13日は1週間平均の感染者数が1日当たり6400人を超え前の週の1.34倍と再び増加に転じています。

都道府県別

都道府県別にみてみますと、全国39の都道府県で、1週間平均の新規感染者数が前の週より増えていて、増加のペースも35の都道府県で前の週より上がっています。

緊急事態宣言の地域

緊急事態宣言が出されているのは東京都、大阪府、兵庫県、京都府、福岡県、愛知県の6つの都府県です。

【東京都】
このうち東京都は、3月下旬ごろから感染者が増え始め、先月初めにまん延防止等重点措置が適用されたあとも感染が減少傾向にはなっていませんでした。

▽緊急事態宣言の期間に入った先月29日は前の週の1.14倍、
▽大型連休直後の今月6日は0.94倍で、減少傾向がみられましたが
▽13日は1.27倍と再び増加しました。

1週間平均の感染者数は1日当たり930人を超えています。

【大阪府】
また、医療提供体制が危機的な状況となっている大阪府では、先月初めに「重点措置」が適用されたあとは感染拡大のペースが下がり始め、
▽緊急事態宣言の期間に入った先月29日は1.00倍、
▽今月6日は0.82倍と減少に向かう傾向がみられました。

ただ、感染者数が大きく減る状態までは至っておらず、
▽13日は0.95倍で前の週からほぼ横ばいの状態となっています。

1週間平均の感染者数は1日当たりおよそ880人となっています。

【兵庫県】
兵庫県も重点措置の適用後、感染拡大のペースは徐々に下がり、
▽緊急事態宣言の期間に入った先月29日は1.10倍、
▽今月6日は0.74倍と減少に向かっていましたが、
▽13日まででは1.05倍と再び拡大傾向に転じています。

1週間平均の感染者数は1日当たり400人を超えています。

【京都府】
京都府も先月下旬から徐々に拡大のペースは下がり、
▽緊急事態宣言の期間に入った先月29日は1.18倍、
▽今月6日は0.94倍と減少傾向になっていました。
ただ、
▽13日は1.04倍と再び拡大しています。

1週間平均の感染者数は1日当たり130人余りとなっています。

【福岡県】
福岡県は、先月上旬以降、感染者数が増加しています。

▽先月29日までの1週間平均は前の週の1.80倍、
▽大型連休をはさんだ今月6日は1.05倍、
▽13日までの1週間平均は1日当たりおよそ490人で前の週の1.56倍と再び拡大のスピードが上がっています。

【愛知県】
愛知県は、3月下旬から感染者数が増え始め、
▽先月29日までの1週間平均は前の週の1.29倍、
▽大型連休をはさんだ今月6日は1.02倍とほぼ横ばいでしたが、
▽13日までの1週間平均は1日当たり540人余りで前の週の1.83倍と感染の急拡大がみられています。

重点措置適用中の地域

「まん延防止等重点措置」が適用されている地域では▽首都圏の3県などでは感染増加のペースが上がる傾向がみられるほか、▽沖縄県や岐阜県、北海道では感染が急速に拡大しています。

【神奈川県】
神奈川県は「重点措置」の適用後も感染者数が大きくは減らない状況が続いていて、
▽先月29日までの1週間平均は前の週と同じで1倍、
▽大型連休をはさんだ今月6日は1.02倍とほぼ横ばいとなっていました。
しかし、
▽13日までの1週間平均は1日当たり290人余りで、前の週の1.30倍と感染の拡大傾向がみられています。

【埼玉県】
埼玉県も
▽先月29日までの1週間平均は前の週の1.07倍、
▽今月6日は0.99倍とほぼ横ばいで、
▽13日までの1週間平均は1日当たり250人余りで前の週の1.27倍とこちらも拡大傾向となっています。

【千葉県】
千葉県は、
▽先月29日までの1週間平均は前の週の1.03倍、
▽今月6日も1.03倍、
▽13日までの1週間平均は1日当たりおよそ150人で前の週の1.09倍とほぼ横ばいで推移しています。

【岐阜県】
岐阜県は、
▽先月29日までの1週間平均は前の週の1.4倍、
▽今月6日は1.24倍、
▽13日までの1週間平均は1日当たり120人余りで前の週の2.01倍と感染ペースが急激に上がっています。

【沖縄県】
沖縄県は、
▽先月29日までの1週間平均は前の週の0.73倍、
▽今月6日は0.77倍と減少傾向でしたが、
▽13日までの1週間平均は1日当たり100人余りで前の週の1.65倍となっています。

【三重県】
三重県は、
▽先月29日までの1週間平均は前の週の1.38倍、
▽大型連休をはさんだ今月6日は0.77倍と減少傾向となりましたが、
▽13日までの1週間平均は1日当たりおよそ45人で、前の週と1.16倍となっています。

【愛媛県】
愛媛県は、
▽先月29日までの1週間平均は前の週の0.89倍、
▽大型連休をはさんだ今月6日は0.59倍と減少傾向でしたが、
▽13日までの1週間平均は1日当たりおよそ20人で前の週の0.99倍とほぼ横ばいとなっています。

新たに重点措置適用の地域

新たに重点措置が適用される3つの県です。

【群馬県】
群馬県は、
▽先月29日までの1週間平均は前の週の1.63倍、
▽今月6日は1.40倍、
▽13日までの1週間平均は1日当たり90人で前の週の1.34倍と感染拡大が続いています。

【石川県】
石川県は、
▽先月29日までの1週間平均は前の週の1.13倍、
▽大型連休をはさんだ今月6日は1.11倍でしたが
▽13日までの1週間平均は1日当たりおよそ60人で前の週の1.95倍と感染拡大のペースが上がっています。

【熊本県】
熊本県は、
▽先月29日までの1週間平均は前の週の1.82倍、
▽大型連休をはさんだ今月6日は0.88倍と下がりましたが
▽13日までの1週間平均は1日当たり100人余りで前の週の2.34倍と感染の急激な拡大がみられています。

分科会メンバー「宣言などの効果が見えない」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は「大阪府はようやく減少傾向が見えてきていたが、いまだに感染者数が1000人近い規模で出ており今の段階では減少と評価すべきなのか難しい状況が続いている。東京都は隣接する神奈川県や埼玉県とともに明らかに増加の傾向が見て取れ、確実な減少が見られていない状況だ。愛知県や福岡県でも感染が急激に拡大するなど全国的には大型連休に一時、減った新規感染者数が連休明けに再び増えていて、緊急事態宣言などの対策の効果が見えてこない状況だと考えていいと思う」と話しています。

そのうえで「感染力が強い変異ウイルスが広がった影響で、夜の飲食の場だけでなく、職場や学校など昼間に感染するケースが増えるなど感染しやすい場面が多様化しており、これまでの対策では抑えるのが難しいのかもしれない。来週になっても明らかな効果が見られなければより強い対策の実施も含めて議論すべきだ。さまざまな業種の店への休業要請や在宅勤務をさらに推進するなど、人と人との接触を極力減らし、宣言や重点措置の適用もよりスピーディーに判断していく必要がある」と話しています。