勤務医で作る労働組合 五輪・パラの中止求める要請書 国に提出

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、勤務医で作る労働組合が、東京オリンピック・パラリンピックの中止を訴え、国に要請書を提出しました。

要請を行ったのは勤務医で作る労働組合「全国医師ユニオン」で、13日に厚生労働省を訪れ、東京オリンピック・パラリンピックの中止を政府に求める要請書を提出しました。

要請書では、たとえ無観客であっても全世界から選手や関係者ら数万人が来日することになり、危険性を否定できないとしています。

そのうえで、医療関係者が長時間労働を強いられている中、地域医療を崩壊させかねない大会を開催し、最前線で闘う医療従事者にボランティアを求めることは無責任だとして大会の中止を求めています。

組合員の医師からは「多忙のためワクチン接種でさえ協力が難しいのに、オリンピックのボランティアまでとても手が回らない」といった声が相次いで寄せられているということです。

「全国医師ユニオン」の植山直人代表は会見で「選手にはつらい話だが、大会中止は誰かが言いださなければならない。医療従事者は声を上げることが求められていると思うので、あえて要請を行った」と述べました。

そのうえで「コロナと闘う気があるのか、という政府への不信感が医療現場の感覚だ。国は国民の生命と財産を守る重大な使命があり、はっきりした姿勢を示すべき局面だと思う」と訴えました。