「搬送困難」なケース 全国的に増加 北海道や近畿で高水準

新型コロナウイルスの重症者は連日、過去最多となっていますが、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送困難」なケースは全国的に増加が続いています。札幌市や大阪・堺市の消防局では、今月2日までの1週間の搬送困難者が、調査が始まった去年4月以降で最も多くなりました。

総務省消防庁は患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など、全国の52の消防機関に、毎週、報告を求めています。

今月2日までの1週間では合わせて1837件と、3300件を超えたことし1月中旬よりは少ないものの、3週連続で増加を続けています。

地域別にみますと、
札幌市消防局管内が117件、大阪・堺市消防局管内が73件といずれも件数の比較調査を始めた去年4月以降で最も多くなったほか、大阪市消防局で307件、神戸市消防局で63件といずれも2番目に多くなりました。

新型コロナウイルスの感染拡大前にあたるおととしの同じ時期と比べると、▽札幌市消防局で4.3倍、
▽東京消防庁で2.1倍、
▽横浜市消防局で2倍ちょうど、
▽名古屋市消防局で5.3倍、
▽大阪市消防局で1.4倍、
▽堺市消防局で3.7倍、
▽神戸市消防局で3.3倍、
▽福岡市消防局で7.2倍となっています。

総務省消防庁は、病床のひっ迫が背景にあるとしたうえで、重症者も増えていることから、都道府県に対し医療機関ごとの情報共有や連携強化を進めるよう求めています。