コロナで業績悪化の近鉄 福山通運の株売却で338億円調達

新型コロナの影響で業績が悪化している「近鉄グループホールディングス」は、保有する大手運送会社「福山通運」の株式のほぼすべてを売却すると発表しました。売却で得られる予定の338億円で、財務基盤を安定させるねらいがあるものとみられます。

発表によりますと、「近鉄グループホールディングス」は傘下の企業とともに保有する広島県福山市に本社がある「福山通運」の株式のほぼすべてを福山通運に売却します。

発行済み株式総数の17%余りで、12日から福山通運が行うTOB=株式の公開買い付けに応募し、売却予定額は338億円になるとしています。

近鉄グループは新型コロナの影響で鉄道利用者が大幅に減少するなど業績が悪化しています。

会社ではアメリカの投資ファンドと新会社を設立して所有する8か所のホテルを売却し、600億円程度を調達する計画です。

また、債務超過に陥っている子会社で旅行大手の「KNTーCTホールディングス」に、主力の取引銀行などと400億円規模の資本支援を行う方向で最終調整に入りました。

会社全体の財務基盤を安定させるねらいがあるものとみられます。