老人保健施設の入所者8人 入院先が見つからず死亡 兵庫 宝塚市

先月、兵庫県宝塚市の介護老人保健施設で入所者と職員合わせて53人が、新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生し、このうち入所者8人が入院先が見つからずに、施設内で亡くなったことが分かりました。

集団感染が発生したのは、宝塚市にある介護老人保健施設です。

兵庫県は先月15日、入所者と職員合わせて46人が新型コロナウイルスに集団感染し、クラスターが発生したと発表していました。

その後、感染者は53人となり、このうち症状が悪化したものの入院ができず、施設内で入所者8人が相次いで亡くなっていたことが、運営する社会福祉法人への取材で分かりました。

社会福祉法人や県によりますと、8人は血中酸素濃度が下がるなどしたため、施設に勤務する医師が酸素投与など治療を行い、保健所を通じて入院先を探していましたが、見つからなかったということです。

施設の担当者は「クラスターは認知症の入所者が暮らすフロアで発生した。マスクの着用など感染対策の徹底が難しく、感染拡大につながった可能性がある。今後、予防策を検討したい」と話しています。

兵庫県内では今月、神戸市の介護老人保健施設で133人が新型コロナウイルスに感染し、これまでに26人の入所者が亡くなったことも明らかになっていて、施設の入所者が十分な治療を受けられずに亡くなるケースが相次いでいます。