大手商社 3月期決算 新型コロナで赤字や減益に

大手商社のことし3月期の決算は、住友商事が新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な経済活動の停滞で過去最大の赤字に転落したほか、5社で減益となりました。

住友商事のことし3月期の決算は、感染拡大による世界的な経済活動の停滞で、マダガスカルにあるニッケルの鉱山開発や、複数のインフラ関連のプロジェクトで多額の損失を計上したことなどから、グループ全体の最終的な損益が1530億円の赤字となりました。

1年間の決算で赤字となるのは6年ぶりで、赤字額は過去最大です。

このほかの大手商社でも、黒字へと転換した丸紅を除く5社が、資源価格の下落や自動車関連が低調だったことなどから、いずれも最終的な利益が減少しました。

減少幅は、伊藤忠商事が前の年度と比べて19%、三井物産が14%、三菱商事が67%、豊田通商が0.7%、双日が55%となっています。

一方、来年3月期の業績については、世界的に景気は回復傾向にあるとして、住友商事が2年ぶりに黒字へと転換する見通しを示しているほか、ほかの各社も増益を予想しています。

住友商事の塩見勝常務は「ワクチン接種に加えて、各国の財政や金融政策にも後押しされ、世界経済はゆるやかに改善するのではないか。日本経済も大きくは下振れしないと見ている」と話しています。