全日空 ことし夏と冬の一時金 支給しない方針 労働組合に提案

新型コロナウイルスの影響で厳しい経営が続く全日空は、毎月の給与とは別に支給している一時金を、ことしは夏と冬ともに支給しない方針を固め、10日、労働組合に提案しました。

全日空は例年、夏と冬、それに業績に連動する年度末の分と、年3回一時金を支給していて、このうち夏と冬の2回はそれぞれ月例賃金の2か月分を支給しています。

関係者によりますと、全日空はこの一時金をことしの夏と冬は支給しない方針を固め、10日、労働組合に提案しました。

ことしの春闘で、労働組合は夏と冬で合わせて月例賃金の1か月以上の一時金を要望していました。

しかし、全日空を傘下に持つANAホールディングスは、新型コロナウイルスの影響で昨年度の決算が過去最大の4046億円の最終赤字となり、需要が戻る見通しも立たない厳しい経営状況が続いています。

このため経営側は、住宅ローンの返済などがある社員に会社が無利子の緊急融資を行うことなどで、一時金を支給しないことに理解を求める方針です。

ANAホールディングスは、およそ750人の社員を外部に出向させたり、新卒の採用を大幅に縮小したりしてコストを削減し、今年度の黒字回復を目指しています。