神戸 介護老人施設でクラスター 入所者ら133人感染 25人死亡

神戸市は、市内の介護老人保健施設で4月中旬から7日までに、入所者と職員、合わせて133人が新型コロナウイルスに感染し、このうち入所者25人が死亡したと発表しました。

神戸市によりますと、長田区の介護老人保健施設「サニーヒル」で、4月14日に90歳以上の入所者1人が新型コロナウイルスに感染していることが判明しました。

その後、ウイルス検査を行ったところ、感染が次々に確認され、7日までに入所者97人、職員36人の合わせて133人の感染が確認されました。このうち、入所者25人が症状が悪化して死亡したということです。

神戸市によりますと、市内の病床数がひっ迫しているため、感染した入所者は原則、施設内で療養していて、亡くなった25人のうち、医療機関に入院したのは2人だけだったということです。施設には3人の医師や、16人の看護師が常駐していたほか、4月下旬からは厚生労働省の医療チームが派遣され、酸素の投与や投薬治療を行っていました。

神戸市は「入院できるのがベストだが、市内の医療提供体制が危機的な状況だったため、施設に医療機関の側面もあると判断し、療養をしてもらった」としています。

施設には、4月16日の時点で認知症の患者など133人が入所していて、およそ7割の入所者が感染したことになります。

神戸市健康局の熊谷保徳副局長は記者会見で「認知症の入所者は、マスクを着けるように言っても着けてもらえないことも多かった。非常に大きなクラスターとなり、25人が亡くなったことは重く受け止め、ショックを受けている」と述べました。

一方、集団感染が確認されてから20日以上公表していなかったことについて「一定期間に多くの患者が発生し、確認や健康管理で業務がひっ迫して公表が遅れた」と説明し、謝罪しました。