大阪 重症患者 病床上回る 中等症病院で“危機的な状況続く”

新型コロナウイルスの感染拡大で、大阪の医療体制が破綻の危機に陥る中、大阪 大東市の病院では大型連休中も自宅で療養している人などが、容体が悪化して搬送されてくるケースが相次ぐなど、依然として厳しい状況が続いていると訴えています。

大阪府では、6日の時点で新型コロナウイルスの重症患者は440人にのぼり、確保している重症病床を上回っていて、中等症用の病院で治療する危機的な状況が続いています。

大阪 大東市にある野崎徳洲会病院は、入院や手術が必要な患者を受け入れる2次救急に指定されている医療機関で、軽症・中等症の病床が38床あるほか、大阪府の要請を受けて重症病床を5床、新たに確保して運用しています。

4月からは重症患者の受け入れが急増し、重症病床だけでは足りずに、中等症の病床で10人前後の重症患者を治療しているということです。

大型連休中も連日、患者が運び込まれ満床の状態が続き、最近は自宅やホテルで療養していた人が急激に容体を悪化させて搬送されてくる場合がほとんどだということです。

また、60歳未満の比較的若い世代が患者の3割以上を占め、亡くなった人もいるということです。

野崎徳洲会病院の中川秀光病院長は「自宅療養をしている人を含め、もう少し早く入院できていれば、さまざまな治療方法を駆使して対応できるので命にかかわる問題にならずにすむのに、死亡につながるケースがみられる」と述べ、治療の遅れが命にかかわる、厳しい事態になっているという認識を示しました。

また、一般の患者の受け入れを断ることも出てきているといい「もともと、この病院では患者を断ることは一切なかったのだが、いまは受け入れる患者を選択せざるをえないという、病院としては、かつてない状況が生まれてきている」と危機感をあらわにしていました。

そのうえで「マスクの着用や3密を避けたり、会食を控えたりするといった基本的な対策をしてほしい」と述べ、それぞれが感染対策を徹底して行動してほしいと訴えていました。