日本航空 昨年度決算2866億円赤字 2012年株式再上場以来初めて

日本航空の昨年度のグループ全体の決算は、新型コロナウイルスの影響で利用者の数が大幅に落ち込み、最終的な損益が2866億円の赤字となりました。最終赤字は、経営破綻後の2012年に株式を再上場して以来、初めてです。

日本航空が7日発表したことし3月までの1年間の決算は、
▼売り上げが4812億円と、前の年度より9000億円余り、率にして65%減少しました。

▼最終的な損益は2866億円の赤字で、経営破綻後、2012年に株式を再上場してからは初めての最終赤字となりました。

新型コロナウイルスの影響で、旅客機の利用者が前の年度と比べて、国際線で96%、国内線で66%、減ったことが主な要因です。

一方、今年度の業績予想は、感染の収束が見通せず、算出が困難だとして開示を見合わせました。

あわせて公表した今後5年間の中期経営計画では、燃費のいい中小型の機体に切り替えていくほか、需要が伸びている貨物事業や、感染収束後を見据えてLCC=格安航空会社の事業を強化することなどで、2023年度には感染拡大前の利益水準に戻すことを目指すとしています。

その一環として、追加の出資を検討していた中国のLCCの日本法人「春秋航空日本」については、6月に子会社化することを正式に発表しました。

会見で赤坂祐二社長は「需要回復のカギを握るのはワクチンで、接種が進めば回復が見込まれるが、それがいつになるかは分からない。減便の影響で人員に余剰が出ているが、社員を外部に出向させるなどして雇用は必ず守る」と述べました。

赤坂社長 宣言延長で減便検討も

緊急事態宣言が延長される見通しについて、日本航空の赤坂祐二社長は「今の状況下では宣言の延長は当然の判断だと思う。今回の宣言はワクチンの効果を強く引き出して、コロナ禍から早く脱出するための宣言だととらえており、今までの宣言よりも目的がはっきりしていると思う」と述べました。

そのうえで、赤坂社長は「やむをえず移動する必要がある人のために路線は維持しつつ、需要の動向に合わせて減便の対応を行っていく」と述べ、宣言の延長に伴って減便を検討する考えを示しました。