新型コロナ“自分が感染するかも”意識 浸透せず 東大など調査

新型コロナウイルスで、体調が悪化したときの相談先など、感染したときの対応を考えている人は半数に満たないことが、東京大学などの調査で分かり、研究グループは、感染拡大から1年以上たっても、自分が感染するかもしれないという意識が十分浸透していない可能性があるとしています。

東京大学医科学研究所の武藤香織教授のグループは、新型コロナに関する意識を探ろうと、ことし3月下旬、インターネットを通じて調査し、8000人余りが回答しました。

この中で、行っている感染対策について聞いたところ、
▽「外出時のマスク着用」については、「とても当てはまる」か「当てはまる」と答えた人が合わせて91.7%、
▽「近い距離での会話の回避」も77.9%で、いずれも去年より20ポイント余り増えていました。

その一方で、
▽「体調が悪化したときの相談先や移動方法の準備」は、去年の41.5%から46.6%、
▽「自分より高齢者との接触は避ける」は、26.3%から39.0%と、去年からは増加しているものの半数に満たず、研究グループは、感染拡大から1年以上たっても、自分が感染するかもしれないという意識が十分浸透していない可能性があるとしています。

武藤教授は「変異ウイルスの広がりなどで、感染しやすい状況なので、医療体制を守るためにも、自分も感染するかもしれないと考え、自分の健康を守る、人に感染させないという意識を持ってほしい」と話しています。