「医療崩壊に片足を突っ込んでいる状態」大阪府病院協会会長

大阪府で新型コロナウイルスの医療体制が危機的な状況になる中、府内にある病院でつくる大阪府病院協会の会長は「医療崩壊に片足を突っ込んでいる状態だ」と指摘したうえで、自分の命を守るためにも感染対策を徹底してほしいと訴えています。

大阪府では、重症患者用の病床の運用率が29日の時点で98.2%とほぼ満床となり、重症病床で診られない重症患者58人が中等症の病院で治療を続けるなど新型コロナウイルスの医療体制は危機的な状況になっています。

さらに大阪府で29日、1日に確認された新型コロナウイルスによる死者の数は過去最多の44人となりました。
この状況について、府内にある病院でつくる大阪府病院協会の佐々木洋会長は「重症患者がどんどん増えてたまっている状況で、今後、さらに1日の死者数が増える可能性がある。本来は入院すべき症状なのにできず、入院してきたら、すぐ重症化してしまう患者が増えて限界が近づきつつある。その一方で、コロナの患者の治療のために一般の医療をどんどん縮小せざるを得ず、医療崩壊に片足を突っ込んでいる状況だ」と述べ府内の新型コロナの医療体制は危機的な状況だという認識を示しました。

そのうえで「病院としては少しでも早く治療をしたいと思っているが、今は思うようにいかない。この状況では、個人個人がいかに自分の体を守れるか、いかに人にうつさないよう対策できるかにつきる。大型連休中は不要不急の外出を控えてほしい」と述べ自分の命を守るためにも感染対策を徹底してほしいと訴えています。