大阪 コロナ 高齢者施設で入所者が重症化 死亡するケースも

重症患者の病床が不足するなど医療提供体制が危機的な状況となっている大阪では、高齢者施設で入所者が重症化しても入院できず、死亡するケースも出ていることが介護老人保健施設でつくる団体への取材で分かりました。

大阪府にある介護老人保健施設でつくる団体によりますと、高齢者施設の入所者が感染しても入院先が見つからず、施設内でそのまま待機するよう求められるケースが相次いでいます。

このうち、大阪府北部にある施設では、入所者19人が相次いで感染したものの1人も入院することができず、29日までに施設内で2人が死亡したということです。

また、大阪市内にある別の施設では、中等症以上の状態を示す血液中の酸素の値が80%台という低い数値になっても入院先が1週間以上見つからず、待機を迫られる間に重症化したケースがあったということです。

大阪府内では高齢者施設で発生したクラスターが29日までの1か月間で40件と相次いでいますが、多くの施設では、酸素の投与しか対応できず、入院先の病院も自分たちで探さなければならない状態に陥っていて、危機感をあらわにしています。

大阪介護老人保健施設協会の川合秀治会長は「施設では治療する武器がない。目の前で亡くなっていくのを見るしかないのは本当にくやしい。空きベッドをなんとか確保して適切な医療が受けられるところにうつしてほしい」と訴えていました。