
在宅勤務 前より減った?職場クラスターが増加
感染拡大を抑えるために重要とされているテレワークが、3回目の緊急事態宣言後どれだけ実践されているのか。ビッグデータを使って今週のオフィス街の人出を分析した結果、東京駅付近では1回目の宣言時より32%、2回目より15%増加し、宣言を重ねるごとに人出を抑えきれなくなっていることが分かりました。
NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、東京駅と大阪梅田駅付近のオフィス街について、午前8時台の人の数を分析しました。


その結果、今月26日から28日までの、3回目の緊急事態宣言後の平日3日間の人出は、東京駅付近で1回目の宣言期間中の平日平均より32%、2回目の宣言期間中の平日平均より15%いずれも増加していて、宣言を重ねるごとに人出を抑えきれなくなっていることが分かりました。


一方、大阪梅田駅付近は、1回目と比べると39%増加していましたが、2回目と比べると1%減少していて、東西で差が見られました。
4月 職場でのクラスターが最多に

新型コロナウイルスの感染が拡大する今月、職場でのクラスターが全国で90件以上発生し、高齢者施設などを上回り最も多くなっていることが分かりました。
厚生労働省の専門家会合で示されたデータによりますと、今月は23日までに5人以上のクラスターが全国で463件発生しました。
このうち「職場」でのクラスターは96件にのぼり、「高齢者施設」の86件、「学校・教育施設」の60件、「医療機関」の51件を上回り、最も多くなっています。
厚生労働省の専門家会合で示されたデータによりますと、今月は23日までに5人以上のクラスターが全国で463件発生しました。
このうち「職場」でのクラスターは96件にのぼり、「高齢者施設」の86件、「学校・教育施設」の60件、「医療機関」の51件を上回り、最も多くなっています。

去年11月以降は、高齢者施設のクラスターが最も多く発生していましたが、先月から職場クラスターが増加。
2月には49件だった件数は、先月は78件、そして今月は96件と、およそ2か月で2倍近くに増え、高齢者施設の数を上回りました。
2月には49件だった件数は、先月は78件、そして今月は96件と、およそ2か月で2倍近くに増え、高齢者施設の数を上回りました。

職場での感染について、都内の保健所からも最近特に増加しているという声があがっています。
東京・北区では今月の新規感染者の数が25日までに356人と、先月と比べておよそ1.6倍に増えています。
東京・北区では今月の新規感染者の数が25日までに356人と、先月と比べておよそ1.6倍に増えています。

北区保健所によりますと感染経路の内訳は、不明がおよそ44%と最も多く、ついで家庭内感染がおよそ23%、職場がおよそ14%、会食がおよそ6%。職場の割合は先月のおよそ7%から2倍ほどに増えています。
さらに保健所が注目しているデータがあります。4月に感染が確認された356人のうち、会社に通勤していた人は132人。このうち、ほかの陽性者と接触していたことが判明したのは68人です。
この中で職場で接触していた人は33人と全体の半数近くにのぼり、家庭内の21人や会食の11人より多くなっています。
感染者のうち日頃通勤している人は、職場で陽性者と接触していた割合が比較的高いことを示しています。
さらに保健所が注目しているデータがあります。4月に感染が確認された356人のうち、会社に通勤していた人は132人。このうち、ほかの陽性者と接触していたことが判明したのは68人です。
この中で職場で接触していた人は33人と全体の半数近くにのぼり、家庭内の21人や会食の11人より多くなっています。
感染者のうち日頃通勤している人は、職場で陽性者と接触していた割合が比較的高いことを示しています。

では、職場での感染は具体的にどのようなケースが起きているのか。
保健所によりますと会議や研修、あるいは出張などで一緒に出席していたり行動していたりした人から感染が広がるケースが相次いでいるといいます。
出張する際に会社から同じ車に同乗したり、長時間、一緒の電車に乗ったりして感染するケースもありました。
また、職場でマスクを着用しほかの社員と十分に距離を取っていたにもかかわらず感染が広がり、要因が分からないケースもあったということです。
保健所によりますと会議や研修、あるいは出張などで一緒に出席していたり行動していたりした人から感染が広がるケースが相次いでいるといいます。
出張する際に会社から同じ車に同乗したり、長時間、一緒の電車に乗ったりして感染するケースもありました。
また、職場でマスクを着用しほかの社員と十分に距離を取っていたにもかかわらず感染が広がり、要因が分からないケースもあったということです。

北区保健所の前田秀雄所長は、職場に出勤すると人と接したり会話したりする機会がどうしても増えるため、感染のリスクは高くなると指摘しています。
そのうえで「最近はオフィスワーカーの感染が目立っている。また職場内だけではなく通勤や研修などでも近い距離で会話すると、感染を防ぎきれない。企業はできるだけテレワークを推進し、出勤を減らしていただきたい」と話しています。
そのうえで「最近はオフィスワーカーの感染が目立っている。また職場内だけではなく通勤や研修などでも近い距離で会話すると、感染を防ぎきれない。企業はできるだけテレワークを推進し、出勤を減らしていただきたい」と話しています。