東京都 コロナ 9人死亡 1027人感染確認 1000人超は1月28日以来

東京都内では、29日新たに1027人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、ことし1月28日以来1000人を超えました。都の担当者は、「人の流れを十分に抑え切れていないことが感染の増加につながっている。変異したウイルスも広がっていることを考えると今後の拡大が危惧される」として、大型連休中は外出を自粛して家で過ごすよう呼びかけています。

東京都は、29日都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて1027人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

都内で1日に1000人を超えるのはことし1月28日以来です。

28日は925人が確認されていて、感染の拡大が続いています。

1週間前の木曜日からは166人増えていて、(4/22=861人)前の週の同じ曜日を上回るのは29日で29日連続です。

また、29日までの7日間平均は782.1人で、前の週の114.3%となりました。

都の担当者は、「人の流れを十分に抑え切れていないことが感染の増加につながっている。第3波では去年12月31日に1000人を超え、その1週間後には2000人超えた。今回は変異したウイルスも広がっていることを考えると、今後の拡大が危惧される」としています。

29日の1027人の年代別は、
▼10歳未満が36人、
▼10代が86人、
▼20代が282人、
▼30代が197人、
▼40代が172人、
▼50代が135人、
▼60代が59人、
▼70代が34人、
▼80代が24人、
▼90代が2人です。

20代と30代を合わせると479人で、全体の47%を占めています。

都の担当者は、「若い人が多い。きょうから連休に入る人も多いと思うが、改めてステイホームを徹底し、家でもホームパーティーなどの会食は控えてほしい。外に出ないことが大事だが、家にいても換気や手洗い、うがいをしっかりしてほしい」と呼びかけています。

きょうの1027人のうち、およそ57%にあたる584人はこれまでのところ感染経路がわかっていません。

一方、感染経路がわかっている濃厚接触者の内訳は、
▼「家庭内」が251人と最も多く、
次いで
▼「職場内」が65人、
▼「施設内」が50人、
▼「会食」が22人などとなっています。

このうち「施設内」では、大学の運動部で学生16人の感染が確認されました。

この大学では、運動部員や寮に住む学生などこれまでに合わせて52人の感染が確認されています。

これで都内で感染が確認されたのは13万8378人になりました。

29日時点で入院している人は28日より24人増えて1955人で、「現在確保している病床に占める割合」は34.9%です。

都の基準で集計したきょう時点の重症の患者はきのうより5人増えて58人で、重症患者用の病床の15.5%を使用しています。
また、都は、感染が確認された50代から90代の男女合わせて9人が死亡したことを明らかにし、都内で死亡した人は合わせて1889人になりました。

29日に死亡が発表された9人のうち、
50代の女性1人と60代の女性1人は、感染力が強いN501Yの変異があるウイルスに感染していたということです。

このうち、50代の女性には持病はなく、せきなどかぜのような症状が悪化し、体調が急変して病院に救急搬送されました。

女性はその後、感染がわかり、亡くなったということです。

また、60代の女性は、入院していた病院内で変異ウイルスに感染したということです。

都によりますと、この病院ではほかにも変異ウイルスに感染した入院患者がいるということです。

これで、都内で変異ウイルスに感染して死亡したのは、きょうの2人を含めて4人になりました。

第3波では1000人超以降に感染者が急増

東京都内で1日の感染確認が初めて1000人を超えたのは去年12月31日でした。

この日は1353人でしたが、わずか7日後のことし1月7日には2倍近くに急増し、過去最多の2520人となりました。1月7日、8日、9日は3日連続で2000人を超え、極めて厳しい感染状況が続きました。

1月は、5日から23日までの19日連続で1000人を超え、1か月で4万人余りの感染が確認されました。

7日間平均を見ると、12月31日に889.4人だったのがピークとなった1月11日には1861.1人になりました。10日余りで2.1倍の急増です。

感染の急拡大に伴って入院患者も大幅に増加し、12月31日の2594人から最多となった1月12日は3427人と、10日余りで1.3倍、800人以上の増加となり病床がひっ迫しました。

その後、感染確認は先月上旬にかけて減少していましたが、再び増加に転じ、さらにそのペースが上がっています。

7日間平均は今月1日は372.3人だったのに対し、28日は758.4人と2倍に増加しています。
また、入院患者も先月には1200人台まで減少していましたが28日は1931人でした。今月中旬から増加のペースがあがっていて28日までの2週間で500人余り増えています。

都内では変異ウイルスも広がっていて、都の専門家は「第3波を超える急激な感染拡大が危惧される」と強い警戒感を示しています。