大型連休スタート “宣言”発出の中 例年の目立った混雑はなし

東京や大阪など4都府県に緊急事態宣言が出される中、大型連休が29日から始まり、一部の空港などでは多くの旅行者が見られましたが例年の大型連休ような目立った混雑はしていません。
鉄道・航空各社は、利用者にマスクの着用や混雑時には十分な距離を取って並ぶなど感染防止対策を徹底するよう呼びかけています。

羽田空港では午前中、スーツケースを持った家族連れなど旅行者の姿が多く見られました。

全日空によりますと、例年の大型連休のような目立った混雑はしていませんが、緊急事態宣言が全国に出されていた去年に比べると人出が増えているということです。

大型連休中の国内線の予約数も40万人余りと去年のおよそ7倍、おととしの4割程度だということです。

ANAエアポートサービス旅客サービス部の久沢弘太郎部長は「去年と比べると予約数は7倍ほどですが、おととしに比べると4割程度です。消毒や人と人との距離を取ることなどを呼びかけてしっかりと対策をとりたい」と話していました。
一方、東京駅では帰省先などに向かう人たちの姿が見られましたが、例年のような目立った混雑はしていません。

JR各社によりますと、午後4時現在、自由席の最も高い乗車率は午前中の列車の60%だったということです。

また大型連休の期間中、全国の新幹線と在来線の今月15日時点での指定席の予約状況は去年の同じ時期と比べると2倍余りに増えていますが、おととしの同じ時期と比べると5分の1と大幅に減っているということです。

日本道路交通情報センターによりますと、午後5時現在、各地の高速道路で目立った混雑はないということです。

高速道路は、全国で普通車などに適用される休日割り引きが29日から来月9日までの期間は休止されます。

鉄道・航空各社は、利用者にマスクの着用や混雑時には十分な距離を取って並ぶなど感染防止対策を徹底するよう呼びかけています。

東京駅では…

都内に住む家族連れの35歳の女性は「駅はもっと混んでいるかと思ったが、すいている印象です。遠方で何度も延期されていた親族の結婚式があり、とても悩みましたが出席することにしました」と話していました。

埼玉県に住む43歳の男性は「来月、自分たちの結婚式をひかえていて、親族へのあいさつなど準備があるので帰省することにしました。移動中もマスクや手洗いなど感染対策をしっかりしようと思います」と話していました。

埼玉県に住む56歳の男性は「地元に一人暮らしの母親がいて家族は自宅に残して自分だけ帰省することにしました。自粛が呼びかけられている中、申し訳ない気持ちがありますが、どうしても心配なので帰省を決めました」と話していました。

また、都内での仕事を終えて自宅に戻る京都府に住む72歳の男性は「常に消毒スプレーを持ち歩き感染対策を心がけています。国や自治体は国民に一方的に自粛を求めている印象で、どういった行動にどのくらい感染リスクがあるのか科学的な証拠をきちんと提示しないと、国民の理解を得ることは難しくなってきているのではないか」と話していました。

羽田空港では…

熊本に出張に行くという50代の男性は「関東から行くため不安で検査を受けて陰性でした。空港はふだんと変わらず、思ったよりも人が多いと感じました」と話していました。

単身赴任中で札幌に帰省するという40代の男性は「去年8月以来の帰省です。久しぶりに息子と遊ぶなど家族と一緒にゆっくりしたい」と話していました。