米 ワクチン接種ペース鈍化 接種ためらう人 否定的な人が約4割

新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人が人口の30%に迫るアメリカでは、このところ接種のペースが鈍化していて、接種をためらう人たちに働きかけて接種率を高めることが課題になっています。

人口の29.5%が接種完了

アメリカではこれまでに2億3400万回余りの新型コロナウイルスワクチンが接種され、人口の29.5%にあたる9800万人余りが接種を完了しています。

しかし1日当たりの接種回数は今月中旬に1週間の平均で320万回に達したものの、その後鈍化し、23日の時点で247万回に減少しています。

複数の専門家は65歳以上の高齢者などへの接種が一とおり行き渡り、需要が減少していることが背景にあると指摘していて、実際に追加の供給を辞退する自治体も出ています。

社会全体で感染を抑えるには接種率をさらに高める必要があると考えられていますが、民間の世論調査では接種をためらう人や否定的な人が全体の37%に上っていて、こうした人たちに働きかけて接種率を高めることが課題になっています。

ラトガース大学公衆衛生大学院のペリー・ハルキータス教授は「接種を求められることを権利や自由の侵害だとして政治的な問題だととらえる人もいて、接種率を上げることをより困難にしている」と指摘しています。

そのうえで「接種をためらう人たちの住む地域や社会的な背景に応じたきめ細かい働きかけが必要になってくる」と話しています。