首都圏1都3県知事など 大型連休前に都県境越える移動など協議

首都圏の1都3県の知事と政令指定都市の市長は、大型連休を前に、都や県の境を越える移動は生活に必要な場合のみとし、特に変異ウイルスが拡大している地域との往来は控えるよう呼びかけることを決めました。

首都圏の1都3県の知事と政令指定都市の市長合わせて9人は21日、新型コロナウイルス対策について協議しました。

この中で、緊急事態宣言を出すよう近く政府に要請する方針の東京都の小池知事は「大阪府が緊急事態宣言の要請に至っている状況などに強い危機意識を持っている」と述べました。

そのうえで「人の動きが活発化する大型連休だが、九都県市が一緒に先手先手で対応することが、わが国の行く末を決めると言っても過言ではない。危機的事態を乗り越えていきたい」と強調しました。

会議では都民や県民に呼びかける共同メッセージを取りまとめ
▽都や県の境を越える移動は生活に必要な場合のみとし、特に変異ウイルスが拡大している地域との往来は控えることや
▽飲食店でのカラオケの利用や路上での飲み会をやめること
などが盛り込まれました。

一方、緊急事態宣言が出されたときの都の措置について、神奈川県の黒岩知事から問われた小池知事は「変異ウイルスという新しい猛威の拡大をどうやって抑えていくのかという観点から、今、国と協議している」と述べました。

埼玉県 大野知事「1都3県一緒で効果出る部分を見極め」

会議で埼玉県の大野知事は「県内の感染者は徐々に増えつつあり、変異株の割合も増えてきている。埼玉県でも変異株が急拡大すると医療現場や高齢者のワクチン接種に影響が出る可能性がある。9都県市で連携することで有効かつ実効的な感染対策をできればと考えている」と述べました。

会議のあと、大野知事は記者団の取材に応じ、東京都が近く政府に対し緊急事態宣言を出すよう要請する方針について「東京都から緊急事態宣言の具体的な中身については聞いていない。きちんと情報共有をすることが大事なので情報収集をしながら1都3県一緒にやって効果が出る部分を見極めたい」と述べました。

そのうえで「東京の数字はわれわれにも影響があるので、県としては極めて厳しい状況を想定しながら、あらゆる選択肢を準備しなければならないと考えているが、現時点でどの選択肢をとるかを決めたわけではない」と述べました。

千葉県 熊谷知事「東京の隣県として一定程度呼応した対応必要」

会議の中で千葉県の熊谷知事は、新型コロナウイルスの医療提供体制が予断を許さない状況が続いているという認識を示したうえで「東京都で緊急事態宣言を出すよう要請することになれば東京に隣接する県内の地域での対策が必要で、1都3県で密に意識を共有して取り組んでいきたい」と述べました。

熊谷知事は会議のあと記者団に対し「東京都が強い措置をした場合には効果が最大限に発揮されるよう、隣の県として一定程度、呼応した対応が必要だ」と述べました。

そのうえで東京都が商業施設などに休業を要請した場合、千葉県の同じような施設に人が流れてくる可能性などを踏まえ、対処する必要があるという認識を示しました。

また、東京都の21日の感染者の発表が2回目の緊急事態宣言が解除されて以降最も多くなったことを受けて「感染拡大のスピードが本当に速く、あすの千葉県の状況だと考えている。感染のステージが変わりつつあることを理解し『今ならまだ間に合う』ので命と生活を守るための行動をとってほしい」と呼びかけました。

神奈川県 黒岩知事「まずは重点措置の効果見極めたい」

会議の中で神奈川県の黒岩知事は小池知事に対し、緊急事態宣言を要請する場合、どのような対策を実施するのか尋ねました。
小池知事は「検討中」だとして詳しい内容には言及しませんでしたが、黒岩知事は「緊急事態宣言とまん延防止等重点措置で表面的には違う形になるかもしれないが、1都3県で共通して取り組める部分は一体となって進めていきたい」と話していました。

会議のあと黒岩知事は「大阪府では百貨店などに幅広く休業要請を行うことも検討しているようなので東京都の対応も確認しておきたかった。都が実施する内容によっては、神奈川にどんな影響が出るのかも考えなくてはいけない」と述べました。

そのうえで「東京と神奈川では感染状況がかなり違う。神奈川ではきのう、まん延防止等重点措置が始まったばかりで、まずは重点措置の効果を見極めていきたい」と話していました。