東京都 新型コロナ 843人感染確認 2回目の宣言解除後最多

東京都内では、先月、2回目の緊急事態宣言が解除されて以降では最も多い843人が21日新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。21日は数十人規模の大きなクラスターの報告がないにもかかわらず、宣言解除後、最多になったということで、都の担当者は「自分の身の回りで感染が起きているということをもっと意識して、感染の機会を減らすように行動してほしい」と話しています。

東京都は、21日都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて843人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

先月、2回目の緊急事態宣言が解除されて以降では最も多く、800人を超えるのは1月29日以来です。

1週間前の水曜日からは252人増えていて、前の週の同じ曜日を上回るのは21日連続です。

21日までの7日間平均は665.3人で、前の週の133.8%となり、増加傾向が続いています。

843人の年代別は、
▼10歳未満が44人、
▼10代が50人、
▼20代が221人、
▼30代が170人、
▼40代が157人、
▼50代が94人、
▼60代が46人、
▼70代が39人、
▼80代が17人、
▼90代が5人です。

843人のうちおよそ55%にあたる467人はこれまでのところ感染経路がわかっていません。

また、タジキスタンに渡航歴がある人が1人いました。

一方、感染経路がわかっている濃厚接触者の内訳は、
▼「家庭内」が203人と最も多く、
次いで
▼「職場内」が61人、
▼「施設内」が47人、
▼「会食」が28人などとなっています。

このなかには、重点措置の適用が始まったあとに友人5人で会食をした20代の女性や、友人5人で沖縄県に旅行した50代の男性もいるということです。

21日は、数十人規模の大きなクラスターの報告がないにもかかわらず、2回目の緊急事態宣言の解除後、最も多くなったということで、都の担当者は「自分は感染しないという意識や気の緩みがある行動が見られる。自分の身の回りで感染が起きているということをもっと意識して、とにかく感染の機会を減らすように行動してほしい」と話しています。

これで都内で感染が確認されたのは13万2042人になりました。

21日時点で入院している人は、20日より36人増えて1606人で、「現在確保している病床に占める割合」は31.8%です。

都の基準で集計した21日時点の重症の患者は20日から2人減って48人で、重症患者用の病床の14.5%を使用しています。

また、都は、感染が確認された70代から90代までの男女合わせて4人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で死亡した人は合わせて1856人になりました。

都医師会「きのうまでの増え方で計算 2週間後に1000人超」

21日の新型コロナウイルスの感染者が843人と、ことし1月29日以来800人を超えるなど増加傾向が続く中、東京都医師会は「医療体制がひっ迫する可能性が非常に高まっている」と強い危機感を示しました。

東京都医師会の猪口正孝副会長は21日、NHKの取材に応じ、都内の感染状況について「感染者は増加し続けていて、きのうまでの増え方で計算すると、2週間後には1000人を超えることになり、まん延防止等重点措置で感染を抑えることはできておらず、非常に厳しい状況に追い込まれている」と話しました。

そして猪口副会長は「今後すべてが変異株に置き換わっていく可能性が高いことと、感染者の年代が若い人から高齢者へと幅が広がっていることから、感染者の増加スピードが上がり、医療体制がひっ迫する可能性が非常に高まっている」と強い懸念を示しました。

そのうえで、今後どの程度感染者数を抑えたほうがいいのかについては「感染者を100人以下にするとかそういうことではなく、ワクチンがどこまで行き渡るかをにらみながら、医療体制がひっ迫しない感染者数に抑え続けることが重要で、まずは1度、感染者のグラフを下向きにさせることが大事だ」としました。

そして、東京都が近く要請を検討している緊急事態宣言の発出については「まん延防止等重点措置よりも、はっきりした措置が必要になってくるというのはそのとおりで、なるべく早いほうがいいと思う」としたうえで「大型連休をはじめ、いかに人流を止めるかが急所で、それ以外に感染者数をコントロールする方法はなかなかない」と話しました。