大阪府 緊急事態宣言要請「早急に検討して判断」菅首相

大阪府が緊急事態宣言の発出を国に要請したことについて、菅総理大臣は参議院本会議で、状況を精査し対策の中身を検討したうえで速やかに扱いを判断する考えを重ねて示しました。

この中で菅総理大臣は、新型コロナウイルスの感染状況について「大阪、兵庫で急速に感染が拡大したほか東京、神奈川、埼玉でも感染者数の増加が続くなど強い危機感を持って対応すべき状況にある」と述べました。

そのうえで「大阪府から緊急事態宣言の要請がなされており、状況を精査し対策の中身も早急に検討して判断をしていく」と述べ、緊急事態宣言の扱いについて速やかに判断する考えを重ねて示しました。

また、大阪府の医療提供体制について「何よりも優先すべき課題と認識しており、国も大阪府と一体となって広域的な医療従事者の派遣調整や病床確保を進めている」と述べました。

一方、菅総理大臣はワクチンの高齢者への接種について「6月末までには自治体の需要に応じてお届けすることになっている。接種がいつ完了するかは実務を担う自治体の計画によるが、年内いっぱいまでかかるといった情報は、現時点では聞いていない」と述べました。

政府分科会 尾身会長「宣言の発出 早急に判断を」

政府の分科会の尾身茂会長は衆議院厚生労働委員会で「大阪、兵庫は医療のひっ迫が一線を越えており、ひっ迫している期間をどれだけ短くするかに焦点を置くべきだ。一方、東京は感染拡大のスピードが徐々に加速しており、かなり強い対策を打たないと早晩、大阪のようになる可能性が考えられる」と述べました。

そのうえで「『まん延防止等重点措置』をこのまま続け幅の広い政策を打っても、その思いに比例するだけの行動変容がないことが分かっている。今はともかく早く緊急事態宣言の発出の議論をして早急に判断すべきだ」と述べました。

さらに、緊急事態宣言を発出する場合の期間について「心理学的な要素からすると長くやるといっても限界があるので、短期間に集中することが経済的にも感染症対策上もよい。ただ10日というのは短すぎる。最低、3週間は必要だと個人的には思う」と述べました。

自民 森山国対委員長「速やかな対応を」

自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し「どういう形になるかわからないが、今週末であっても政府の方針が各自治体と協議のうえでまとまれば立法府として速やかな対応をしていきたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「1日も早く危機感を持った対応を」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「自治体側も国も一体感が感じられず互いに責任を押しつけ合っているような形で、調整がうまくいってないのは残念だ。変異株は予想を超えた速さで日本列島を覆い始めているので1日も早く危機感を持った対応をとるべきだ」と述べました。

そして「緊急事態宣言に伴い、休業要請を行う範囲によっては今年度予算の予備費の5兆円はあっという間になくなる。そうなれば今の国会で補正予算案を組まざるをえない状況になり会期の延長も想定しうるのではないか」と述べました。

公明 竹内政務調査会長「公明党の竹内政務調査会長し対策を」

公明党の竹内政調会長は記者会見で「年度替わりで人の動きが活発であることと、感染力の強い変異ウイルスの急速な拡大が重なっている。医療現場は深刻な状況なので専門家の意見を踏まえて速やかに判断すべきだ。政府には背水の陣の覚悟で実効性ある対策に取り組んでもらいたい」と述べました。

また、記者団から補正予算案を編成する必要性を問われたのに対し「まずは予備費をしっかり使用することになる。それでも予想を上回るような事態が生じれば検討しなければならない」と述べました。

維新 馬場幹事長「人の流れとめる感染症対策を」

日本維新の会の馬場幹事長は記者会見で「きちんと人の流れをとめるための感染症対策を広げていく必要がある。繰り返し申し上げているが、ロックダウンなどの対策も視野に入れながら事業者などにどのような補償を行うのかについて政府側は一刻も早く考えてほしい」と述べました。

共産 穀田国対委員長「事業者補償や医療機関への補填などを」

共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で「感染を抑え込むには、まずは行動規制が求められる。さらに今必要なのは事業者への補償と抜本的な検査の拡充、それに医療機関に対する減収補填(ほてん)の3つだ。一方で後手後手に回っている政府の対応の検証も行うべきで、国会で時間をとってしっかり議論しなければならない」と述べました。