コロナで重症化 約半数の人がイメージ持てず 東大など調査

新型コロナウイルスで重症化し、人工心肺装置を装着したときには意思疎通が難しくなることをおよそ半数の人が認識できていないなど、重症化するとどうなるか知られていないことが東京大学などが行った調査で分かりました。研究グループは、イメージを具体的に持って、感染を自分のこととして捉えてほしいとしています。

東京大学医科学研究所と東京医科歯科大学のグループは去年12月、新型コロナで重症患者の治療についてインターネットを通じて調査を行い、2200人余りから回答を得ました。

この中では、重症化した場合に人工呼吸器が必要になる可能性があると93.1%の人が知っていた一方、鎮静剤で意識レベルを下げる処置が行われることを知らなかった人が58.1%に上りました。

また、ECMOと呼ばれる人工心肺装置を装着したときに意思疎通が取れない状況になることを知らなかった人が48.3%に上り、半数近くが重症化するとどうなるかイメージできていないことが分かったということです。

さらに、重症化した場合に受ける治療について家族などと話し合ったことがない人が87.8%に上っていて、研究グループは患者に起こりえることをイメージできるような情報発信が必要だとしています。

調査を行った東京大学医科学研究所の神里彩子准教授は「第4波では重症化するスピードが速く、40代や50代でも重症化するケースが多い報告がある。重症の状態をイメージして自分のことと捉え、行動を見直すきっかけにもしてほしい」と話しています。