オーストラリア~ニュージーランド 入国後の隔離免除 往来再開

オーストラリアとニュージーランドの間で、感染対策で義務づけられていた入国後の隔離を免除した往来が再開され、離れて暮らす家族に会いに行く人など、多くの人たちが双方の国に向かいました。

シドニー空港では 朝早くからカウンターに列

オーストラリアとニュージーランドは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、去年3月から外国人の入国を原則禁止し、特別な許可を得て入国する場合は、入国後14日間の隔離を義務づけています。

隔離措置は、オーストラリアとニュージーランドの間の渡航にも適用されていましたが、両国で感染状況が落ち着いたとして、19日から隔離が免除されました。

オーストラリアのシドニー空港のターミナルでは、朝早くからニュージーランドに向かう人たちがチェックインカウンターに列を作っていました。

友人と首都ウェリントンに向かうという22歳の女性は「トレッキングやワイナリー巡りが楽しみです。海外旅行は2年ぶりです」と興奮した様子で話していました。

また、到着ロビーでは、ニュージーランドから到着した乗客と出迎えた人が抱き合って再会を喜ぶ姿も見られました。

ウェリントンからシドニーに住む両親に会いに来た40代の女性は「1年以上会えていなかったので、行き来できるようになり安心しました」と話していました。

オーストラリアの航空最大手、カンタス航空のアラン・ジョイスCEOは「観光業界や航空業界にとってすばらしいニュースだ。適切な時期に日本などとも往来が再開されることを期待する」と話していました。

ニュージーランド 観光業界から歓迎の声

ニュージーランドでは新型コロナウイルスの感染拡大前、外国人観光客の40%がオーストラリアからの旅行客で、今回の往来再開には観光業界から歓迎の声が上がっています。

ニュージーランドの南島で氷河のツアーを運営する観光会社では、客の97%が海外からの観光客でしたが、去年3月に外国人の入国が原則禁止されてからは客が大幅に減少し、スタッフの数を削減するなど厳しい経営が続いてきました。

現在は、オーストラリアからの予約が入り始めているということで、ロブ・ジュエルCEOは「この1年間、国内の客しか受け入れられず、ビジネスにとって非常に厳しい状況が続いたので、オーストラリアとの往来再開にわくわくしている。施設を清潔に保つなど準備は整っている」と話していました。

また、ニュージーランド政府観光局では、これから始まるスキーシーズンに合わせ、オーストラリア向けにPR動画を作成するなど売り込みを図る計画です。

ニュージーランド政府観光局シドニー事務所のアンドリュー・ワデル氏は「オーストラリアからの観光客受け入れは、日本、中国、アメリカなどからの受け入れ再開に向けた最初の一歩だ」として、ほかの国との間でも早期に往来再開が実現することに期待を示しました。