中小企業の35%「債務が過剰」 コロナ禍で売り上げ回復せず

新型コロナウイルスの収束の兆しが見えない中、中小企業の間で金融機関からの借り入れが増えています。
信用調査会社のアンケートでは、35%の企業が「債務が過剰」と回答し、調査会社では「返済が困難な企業が増えているとみられる」と分析しています。

民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」は、今月1日から12日にかけて企業の資金繰りの実態を調べるアンケート調査を行い、8400社余りから回答を得ました。

それによりますと、資本金が1億円未満の中小企業では、
「コロナ後に債務が過剰」と答えた企業が21.8%、
「コロナ前から債務が過剰」と答えた企業が13.2%で、合わせて35%が「債務が過剰」と感じていることが分かりました。

業種別では「飲食店」や「飲食料品小売業」などで「過剰」と答えた企業の割合が多くなっているということです。

調査会社は、新型コロナ対策として政府や金融機関が実施している実質、無利子・無担保での借り入れなどが増えた一方、感染の長期化で売り上げが回復せず、返済が困難な企業が増えているのではないかと分析しています。

信用調査会社「今の支援を終えてしまうと救えなくなる可能性」

東京商工リサーチ情報本部の原田三寛部長は、「政府の支援は、コロナ後を見据えた事業の再構築になりつつあるが、過剰債務の企業は新しい取り組みを行うそもそもの資金がない。今の資金繰り支援を終えてしまうとせっかく助けた企業を最終的には救えなくなる可能性がある」と指摘しています。