精神科の患者“コロナに感染しても指定医へ転院できず” 6割に

精神科病院に入院中に新型コロナウイルスに感染した患者の6割余りが、感染症の治療体制が整った病院に転院できなかったことが日本精神科病院協会の調査でわかりました。

この調査は、日本精神科病院協会が行ったもので、全国およそ1200の精神科の病院を対象に去年3月からことし1月までの新型コロナウイルスの状況についてアンケート調査を行い、524の病院が回答しました。

その結果、入院患者や職員が新型コロナウイルスに感染したことがあると回答した病院は全国で114ありました。

また、感染した入院患者合わせて1012人のうち、6割余りにあたる631人が感染症指定医療機関など治療体制が整った病院に転院できなかったということです。

協会によりますと、理由としては精神疾患があるため対応できないと転院を断られたというケースが多かったということです。

日本精神科病院協会「呼吸器疾患治療の精神科病床の整備を」

日本精神科病院協会の山崎學会長は「ふだんでも精神疾患の患者の転院は難しいが、新型コロナウイルスでは各地で病床がひっ迫し余計にスムーズにいかなくなっている。都道府県の人口規模に応じて呼吸器疾患を治療できる精神科病床を整備する必要がある」と話しています。