楽天 田中 5回3失点で負け投手 8年ぶり日本の公式戦で登板

大リーグからプロ野球・楽天に復帰した田中将大投手が17日、8年ぶりに日本の公式戦で登板しましたが、5回3失点で負け投手になりました。

田中投手は先月下旬に痛めた右足ふくらはぎのけがから回復し、17日、東京ドームで行われた日本ハム戦に先発で今シーズン初登板しました。

立ち上がりの1回は2アウトからフォアボールを出し、4番・中田翔選手に先制の1号ツーランを打たれました。

田中投手は2回にも7番の石井一成選手に1号ソロを打たれて3点目を失いましたが、このあとは鋭く変化するスライダーやスプリットを中心とした配球に切り替えて立て直しました。

田中投手はこの試合、5回で75球を投げてヒット4本、3失点、奪った三振は5つでした。

試合は楽天が1対4で敗れて、田中投手が負け投手となり、シーズンをまたいだ連勝のプロ野球記録は28で止まりました。

また田中投手のプロ野球の公式戦登板は、大リーグ移籍前、楽天を初の日本一に導いた平成25年以来8年ぶりで、田中投手がマウンドに立つと、新型コロナウイルス対策として制限された観客数の上限に近い、およそ1万人から大きな拍手がおくられました。

田中「もったいない失点のしかただった」

楽天の田中将大投手は5回3失点で負け投手となった復帰後初登板を振り返り「先制点はフォアボールからのホームラン。2回も味方が1点を返してくれて『さぁいくぞ』というときに、最初のバッターにホームランを打たれてしまってもったいない失点のしかただった」と2本のホームランを悔やみました。

いずれも高めに浮いたストレートを打たれましたが、17日の調子について「特にストレートが、試合を通して全然、コントロールできなかった」と反省しきりでした。

それでも8年ぶりにプロ野球の公式戦に登板したことについては「新型コロナの影響もあって以前の球場の雰囲気、姿はまだ戻らないが、ファンの方々の前でプレーできる喜びを感じた。声援もありがたかった」と振り返っていました。

そして本拠地・仙台での登板が予想される次回の先発に向けては「しっかりと自分の投球を見返してどう調整してどういう姿でマウンドに上がるかという準備がいちばん大事だと思う。いい状態で本拠地のマウンドに上がりたい」と気持ちを切り替えていました。

田中 配球を変化球中心に修正 3失点に抑える

楽天の田中投手は復帰後初登板で2回までに2本のホームランを打たれ、3点を失いましたが、その後は立て直して5回を3失点にまとめました。

それを可能にしたのは変化球中心の配球に切り替えた修正力の高さです。

打たれた2本のホームランはいずれも高めに浮いたストレートで、田中投手はそのストレートについて「試合を通して全然、コントロールできなかった」と反省を口にしました。

2回、石井選手にソロホームランを打たれるまでに田中投手が投げた23球のうち、半分以上の14球が速球でしたが、その後、配球を変化球中心に切り替えました。

石井選手のあとに対戦した12人のバッターに対して52球を投げましたが、速球はわずか9球で割合は17%ほどに減りました。

1回にツーランホームランを打たれた中田選手には3回の第2打席で変化球を4球続け、最後はボール球のスライダーで空振り三振に抑えました。

また、4回の石井選手の第2打席でもフルカウントからの6球目でキャッチャーの太田光選手のサインに何度も首を振って、スライダーを投げダブルプレーに打ち取りました。

3回から5回の3イニングで打たれたヒットは1本で、二塁を踏ませませんでした。

変化球中心のピッチングに変えた意図について田中投手や太田選手は詳細を明かしませんでしたが、田中投手は「いろいろと自分の中で修正を重ねながら、アジャストしながら投球していたという部分はある」と語りました。

注目を集めた復帰後初登板は負け投手となりましたが、大リーグで磨いた投球術の一端が垣間見える内容でした。

石井監督「次回の登板までにしっかり調整してくれると思う」

楽天の石井一久監督は、田中将大投手のピッチングについて「そこまで悪いとは思わないが、初登板ということもあるし、実戦から離れていたこともあってストレートの精度がもう一つで若干ボールが高かった」と振り返りました。

5回、75球での降板については、球数のめどを80球にしていたことを明かし「最初の一歩を踏み出せたので、これから中6日のペースで球数も増やしていく。次回の登板までにしっかり調整してくれると思う」と信頼を寄せていました。

日本ハム 中田「久しぶりの感触だった」

日本ハムの中田選手は楽天の田中投手から打った今シーズンの初ホームランが決勝打になったことについて「久しぶりの感触だった。なかなか状態が上がっていない中で自分とチームにとって大きな1本だった。相手はすごいピッチャーだったので、小細工をしても通用しないので、本当に自分のスイングをしたいと思っていた」と振り返っていました。

日本代表 稲葉監督 田中の投球術を評価

野球日本代表の稲葉篤紀監督は楽天・田中将大投手のピッチングを視察し、「昔はパワーでぐいぐい来るイメージだったが、今は投球術でしっかり抑えるんだなと感じた。両方のコーナーや高低、奥行きをしっかり使った投球もできていた。キャッチャーのサインに首を振りながら自分で投球を組み立て、田中投手らしいボールもあった」と評価しました。

オリンピックでは大リーグの選手を招集するのが難しい中、ことし日本球界に復帰した田中投手は1年延期となった東京オリンピックに出場できることになり、ことし1月の会見では「金メダルを取りたい」と意欲を示しました。

稲葉監督は「本当にそういうタイミングだったのかなと思うし、会見でもオリンピックについて話してくれたので、そういう思いもしっかりくんでいく。日本の野球が強いところを見せたいという気持ちは一緒だと思う」と期待を寄せていました。