コロナで売り上げ減の中小企業支援 国の補助金 申請あすから

新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した中小企業の、業態転換や新分野への展開を支援する、国の事業再構築補助金の申請が15日から始まります。

この補助金は、ポストコロナを見据えて従来のビジネスからの脱却を目指す企業を後押しする目的で設けられました。

対象となるのは中小企業や資本金10億円未満の中堅企業などで、この半年間のうち任意の3か月間の売り上げが感染拡大前の同じ時期と比べて10%以上減っていることが条件です。

こうした企業が業態の転換や新分野への展開を目的に行う設備の購入や建物の改修、それに広告宣伝などに対し、最大1億円を補助します。

申請は15日からオンライン上で始まり、商工会議所や金融機関などと策定した事業計画書をあわせて提出する必要があります。

事業費は1兆1485億円で、昨年度=令和2年度の第3次補正予算に盛り込まれ、経済産業省はおよそ6万社の申請を見込んでいるということです。

申請を検討している企業は

神奈川県茅ヶ崎市の金属加工メーカーは、新分野への展開を検討しています。

このメーカーは、航空宇宙や医療の分野で使われる特殊なネジやノズルなどの金属部品を製造していますが、新型コロナウイルスの影響で航空需要が激減し、売り上げが最大で4割減少した月もありました。

このため、無人で部品を組み立てられる大型の生産設備の製造に参入することを計画しています。
工場を一部改修して新たな設備を導入するために、およそ2000万円かかることから、今回の補助金の申請を検討しています。

由紀精密の永松純社長は「この1年間で、製造業そのものが大きな変化に直面している。製造業を続けるのであれば、どこまでやれるか追求する気持ちで取り組みたい。今の売り上げをはるかに超えるような大きな事業に成長させたい」と話していました。
一方、さいたま市でギョーザを提供する飲食店では、業態の転換を検討しています。

この店は30種類以上の手作りギョーザを提供してきましたが、新型コロナウイルスの影響で客足が遠のき、売り上げが半減する月が続いているということです。
このため、ギョーザの具を皮で包む作業を機械化で効率化したうえで、ドライブスルーによるテイクアウトのほか、自動販売機やオンラインでの販売を中心にしようと考えています。

店の移転や新しい設備の購入などにおよそ2000万円が必要となる見込みで、補助金を申請することを検討しています。

「餃子専門 丸虎」の吉田大介代表は「メニューを変えながら工夫してきたが、感染者がまた増えてきて、思うようにはいかない現状だ。お客様により安全においしいものを届けることがいちばんだと思うので、対面型ではなく非接触型を目指すほうが、これからの時代に合うのではないかと思う」と話していました。