首相「大きなうねりとまではなっていない」感染状況について

新型コロナウイルスの感染状況について、菅総理大臣は参議院本会議で「全国的な大きなうねりとまではなっていない」と述べたうえで、地域を絞った措置を機動的に講じることで感染拡大の防止に全力を挙げる考えを強調しました。

新型コロナウイルスの感染状況について立憲民主党は参議院本会議で「ここに来て変異株が首都圏でも急増している。こうした危機的状況でも『第4波ではない』と言い張るのか」とただしました。

これに対し菅総理大臣は「現時点で全国的な大きなうねりとまではなっていないと考えているが、特に関西圏など特定の地域を中心に急速に感染拡大が進んでいる。強い警戒感を持って対応すべき状況にあると考えている」と述べました。

そのうえで菅総理大臣は「感染対策に奇策はない。飲食店対策、検査の拡大、医療体制の確保を粘り強く進めつつ地域を絞った措置を機動的、集中的に講じることで、各地で発生する波を全国規模の大きな波につなげないように対策を徹底する」と述べ、感染拡大の防止に全力を挙げる考えを強調しました。

立民 枝野代表「残念だが感染第4波の状況に」

立憲民主党の枝野代表は党の会議で「残念だが、われわれの指摘どおり感染の第4波という状況になってしまっている。菅総理大臣はそのことを認めていないようだが、客観的な事実に目をつむって適切な対応ができるはずがない」と述べました。

また「大阪には早い段階から緊急事態宣言が必要だと申し上げてきたが、全国各地と人の行き来があり厳しい対応をとらないとさらに全国に感染が広がりかねない。東京も重点措置の適用が遅れた状況を考えればちゅうちょなく宣言を出すことが求められている」と述べました。

官房長官「尾身会長も首相も言っている趣旨は一緒」

加藤官房長官は午後の記者会見で「新型コロナウイルス感染症は収まったとしても、また波が来るとこれまでも指摘されていて、大事なことはそれを大きな流行にしないことだ。そうした意味で政府の分科会の尾身会長が言っている趣旨も菅総理大臣が言っている趣旨も警戒感を持ってしっかり対応しなければならないという意味で一緒ではないか」と述べました。

そのうえで「政府としては飲食店対策、検査の拡大、医療提供体制の確保など必要な措置を粘り強く自治体とも連携を取りながら図っていきたい。また、それを通じて全国的な規模の大きな波につなげないための対策を徹底していきたい」と述べました。