時短営業店で盗みの疑い 3人逮捕 指示役と見られる男も逮捕へ

新型コロナウイルスの影響で営業時間を短縮し無人になっていた東京都内の焼き肉店に侵入して現金を盗んだとして警視庁は男3人を逮捕し、さらに指示役とみられる男を14日にも逮捕する方針です。時短営業の店では窃盗の被害が相次いでいて、警視庁が注意を呼びかけています。

時短営業の店 被害が急増

ことし1月31日の深夜から2月1日の未明にかけて東京 八王子市の焼き肉店に何者かが窓ガラスを割って侵入し現金12万円余りが入ったレジを盗んで逃げました。

店は、新型コロナウイルスの影響で午後8時で営業をやめ、当時は無人だったということです。

捜査関係者によりますと、現金が入ったレジを盗んだなどとして警視庁はこれまでにいずれも20代の男3人を逮捕しました。

さらに指示役とみられ、別の強盗事件で逮捕されている住所不定・無職の小橘寿稀也容疑者(24)を14日にも窃盗などの疑いで逮捕する方針です。

警視庁によりますと、時短営業の店が盗みの被害に遭うケースはことしに入って急増していて、東京都内ではすでに53件にのぼっているということです。

警視庁は、容疑者らが別の事件にも関わっているとみて調べています。

被害に遭った焼き肉店のオーナーの女性は「新型コロナ影響で売り上げが大幅に減っている中のことで大きな痛手です。犯人を許せない気持ちです」と話していました。

被害に遭った焼き肉店「犯人を許せない」

被害に遭った東京 八王子市の焼き肉店が取材に応じました。

オーナーの金井徳枝さんによりますとことし2月1日の朝警察から連絡が入り、店に駆けつけると窓ガラスが割れていて、現金12万円余りが保管されていたレジが盗まれていたということです。

当時、撮影された写真には、飛び散ったガラスや犯人が窓を割るのに使ったとみられるコンクリート片が写っています。

盗まれたレジはおよそ80万円かけて買い替えたばかりのもので、窓ガラスの修理代と合わせて100万円近い出費が必要になったということです。

金井さんは「新型コロナ影響で売り上げが大幅に減っている中のことで大きな痛手です。盗まれたのは『大変だけど頑張ってね』というお客さんの気持ちのこもったお金で、店を存続させるために頑張っている中でのことでした。犯人を許せない気持ちが強くなっています」と話していました。

都内の被害 3か月で53件

警視庁によりますと、時短営業の店が閉店後に現金などを盗まれる被害はことしに入って急増していて、東京都内では3月までの3か月間に分かっているだけで53件にのぼっています。

警視庁は、閉店後の店にはたとえ鍵をかけていても現金は置かないなど十分に対策を取るよう呼びかけています。