家計が苦しい世帯の高校生「進学の断念検討」半数超に NPO調査

感染拡大が続く中、家計が苦しい世帯の高校生を支援しているNPOが、利用者に調査したところ「進学を諦めようと考えた」という回答が半数を超え、受験への影響が明らかになりました。

子どもの貧困問題に取り組むNPO法人「キッズドア」では、去年、家計が苦しい世帯を対象に、高校2年生に3万円、3年生に5万円を奨学金として支給していて、13日に利用者への調査結果を公表しました。

この中では、利用した554人のうち、
▽1人親世帯は83%で
▽年収が200万円未満の世帯が58%
▽感染拡大による失業や大幅な減収があった世帯は34%でした。

高校3年生に奨学金の使いみちを聞いたところ「受験料」が25%と最も多く、自由記述でも「大学入学共通テストの受験料、1万8000円も負担だ」という声が複数あったということです。

感染拡大による受験への影響については、親の収入が減るなどして、
▽「受験する大学数を減らした」
▽「予備校や塾に通えなかった」
▽「進学を諦めようと考えたことがある」
と回答した人が、いずれも半数を超えました。

NPO法人「キッズドア」の渡辺由美子理事長は「『貧困から抜け出し、夢をかなえてほしい』と、生活を切り詰め貯金してきた困窮世帯も多かったが、コロナによる収入減で進学を諦めるケースもあり、社会で子どもたちを支えていく必要がある」と話していました。