企業物価指数 1年1か月ぶり上昇 原油価格値上がりが影響

企業の間で取り引きされるモノの価格を示す企業物価指数は、3月の速報値で前の年の同じ月を1%上回り、1年1か月ぶりの上昇となりました。新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、景気回復への期待感から原油価格が値上がりしたことが影響しています。

日銀が発表した先月・3月の企業物価指数の速報値は、2015年の平均を100とした指数で102.1と、前の年の同じ月を1%上回りました。

去年2月以来、1年1か月ぶりの上昇となります。

これは世界各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、景気回復への期待感から原油価格が上昇したことを受け、「石油・石炭製品」や「化学製品」などの価格が上がったためです。

また自動車向けの需要の回復や、為替相場が円安で進んだことなどから「非鉄金属」や「鉄鋼」の価格も値上がりしました。

日銀は「アメリカや中国の需要回復にけん引された資源価格の上昇が主な要因で、国内の需要がコロナ前の水準に戻ったと言うのはまだ早い。原油価格の上昇も、ヨーロッパやインドの感染の再拡大を受けて落ち着いているため、今後の物価の動向には注意が必要だ」と話しています。