中東 トルコやイランで“変異ウイルス”急速に拡大

中東では、トルコやイランで、変異した新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していて、厳しい感染状況になっています。

トルコでは、1日の新型コロナウイルスの感染者が先月10日には1万4000人余りだったのに対し、今月10日には5万2600人余りと3倍以上に急増しています。

保健省によりますと、患者のおよそ85%が変異した新型コロナウイルスに感染しているということです。

トルコ政府は医療従事者などへのワクチンの接種を完了し、現在は60歳以上の人たちを対象に接種を急いでいます。

一方、イランでも、先月11日に8300人余りだった1日の感染者数が今月11日は2万1000人余りと、2倍以上に急増し、政府は変異した新型コロナウイルスが主な原因だと分析しています。

イランでは今月10日以降、首都テヘランなど感染が深刻な地域で、食品や医薬品などの生活必需品を除いて商店の営業が禁止されています。

テヘランのバザールは閑散としていて、ふだん衣服を販売する男性は「収入はゼロだ。ここで働く数千人が仕事を失っている。新型コロナウイルスに幸せも気力も奪われた」と嘆いていました。

中東では、イスラエルのように世界的にみても速いペースでワクチンの接種が進んでいる国があり、トルコやイランも接種を急いでいますが、変異ウイルスによって感染状況が厳しさを増しています。

「ビジネスが成り立たない」

ペルシャじゅうたんを販売する49歳の男性は「じゅうたん市場は完全に停止してしまって、ビジネスが成り立たない。最近の収入は、以前と比べると10%くらいだ」と話していました。

また、衣服を販売する43歳の男性は「なんとか生きているものの、収入はゼロだ。バザールで働く数千人が仕事を失っている。新型コロナウイルスに幸せも気力も奪われた」と嘆いていました。