東京都「まん延防止等重点措置」対象地域 23区と6市に

「まん延防止等重点措置」の適用を受けて東京都は対象の地域を23区と6つの市として来週12日からの1か月間、今の午後9時までから1時間早い午後8時までの営業時間の短縮を要請します。要請に応じた中小企業には1日当たり最大10万円、大企業には1日当たり最大20万円の協力金を店舗ごとに支給します。

東京都は「まん延防止等重点措置」が適用されることを受けて9日の対策本部会議で期間中の対応をまとめました。

措置の期間は今月12日から来月11日までで、対象地域は、
▽23区と
▽多摩地域の立川、八王子、武蔵野、府中、調布、町田の6つの市です。

これらの地域の飲食店などには、今より1時間早くして、
▽酒の提供を午後7時まで
▽営業を午後8までにそれぞれ短縮するよう要請します。

期間中、全面的に応じた事業者への協力金はこれまでの一律の額での支給から変更します。

▽中小企業は、前年度または前々年度の売上高に応じて1日当たり4万円から最大10万円、
▽大企業は、去年またはおととしの売り上げからの減少分に応じて1日当たり最大20万円です。

この措置では、事業者が要請に応じない場合、都は、命令を出すことができます。

正当な理由がなく命令に応じない場合の罰則は、20万円以下の過料となっています。

また、遊興施設や映画館などに対しても営業時間を午後8時までとするよう協力を求めます。

イベントは、
▽収容人数の上限を今の1万人から5000人に減らし、
▽収容率は大声を出すものは50%まで、大声を出さないものは100%まで認めます。

一方、都民に対しては不要不急の外出自粛、特に都と県の境をまたぐ移動や変異ウイルスの感染が拡大している大都市圏との往来を控えるよう呼びかけます。

また、会食中に会話をする際にマスクの着用を徹底する「マスク会食」を求めます。

このほか都は、重点措置の対象以外の地域でも今月21日までとしていた今の午後9時までの時短要請を重点措置の期間に合わせて来月11日まで継続することを決めました。

東京都 約12万店を点検へ

重点措置の適用を受けて、東京都は対象地域の飲食店など、およそ12万店を個別に訪問し、感染対策を点検する取り組みを始めます。

すべてを回るには、ことし6月までかかる見通しだということです。

重点措置の適用を受けて、東京都は対象地域の23区と、多摩地域の6つの市の飲食店などを個別に訪問し、感染対策を点検する取り組みを始めます。

対象となるのは、感染防止対策をとっていることを示す虹色のステッカーを掲示している店で、およそ12万店あるということです。

週明けの12日から都の職員や委託業者が訪問して、手や指の消毒や換気といった5つのテーマの20のチェックポイントの対策が十分にとられているかを点検します。

店に応じたきめ細かいアドバイスや必要な対策の助言も行い、点検を済ませた店には「感染防止徹底点検済証」を交付します。

対象のおよそ12万店すべてを回るには、ことし6月までかかる見通しだということです。

一方、感染対策を中心になって担う「コロナ対策リーダー」を配置した店が、アクリル板や消毒液、それに二酸化炭素濃度の測定器などを購入する費用を助成する制度も新たに始めます。

こちらは都内全域の飲食店などが対象です。

飲食店やクラスターが発生した場所などでも検査

重点措置の適用を受けて東京都は、感染の拡大の予兆を早期に捉えるための「戦略的な検査」の一環として、クラスターが発生しやすい繁華街の飲食店や過去にクラスターが発生した場所などで1週間におよそ5000件の検査を新たに実施します。

具体的には、繁華街の飲食店のほか、事業所の中で食事をする場所、換気が難しい場所など環境的に感染が広がりやすいところを保健所の意見を踏まえて選び、週1回程度、検査を行います。

また、過去には大学の運動部の寮でクラスターが相次いだこともあることから、共同生活を行う場所などでも行います。

さらに、20代を中心に若い人の間での感染拡大を防ぐため、大学のキャンパスなどで簡易的に検査を行える場所を設けたり、学生に検査キットを配ることなども検討します。

こうした新たな検査は1週間におよそ5000件を想定していて、予兆を早期に捉えることで感染の拡大を防ぎたい考えです。

大型連休中 診療行った医療機関に協力金

東京都は、大型連休中の検査や診療の体制を維持するため感染が疑われる発熱患者の診療を行った医療機関に協力金を支払います。

対象は来月1日から5日までの5日間のうち、いずれか1日、または複数の日に診察を行った医療機関と営業した薬局です。

医療機関には4時間当たりで15万円、薬局には8時間以上で3万円を支給します。

また、この期間中に入院患者を受け入れた医療機関には患者1人1日当たり重症で30万円、軽症、中等症では7万円を支給します。

このほか、新型コロナウイルスの患者用の病床を今月19日までに、さらに996床を確保して、6044床まで増やすことを目指します。

また、病床の空きをできるだけ多く確保するため、回復した患者を受け入れる病院をおよそ200か所、1000床を確保しました。

小池知事「徹底した人流の抑え込みが不可欠」

都の対策本部会議で小池知事は「東京の医療を守り都民の命を守るためにはこれまで以上に徹底した人流の抑え込みが不可欠だ。都民、事業者のご理解ご協力をお願いしたい」と述べました。