“防護服の上に防護服” 変異ウイルスの対応迫られる病院は…

東京医科歯科大学附属病院では、抗体の攻撃から逃れる変異があるウイルスに加え、感染力が高いとされるイギリスなどで広がった変異株も患者から確認され、複数の変異ウイルスへの新たな対応を迫られています。

東京・文京区にある東京医科歯科大学附属病院では、2週間ほど前から新型コロナウイルスの患者が増え、9日朝の時点で重症と中等症を合わせて16人が入院しています。

病院では、感染が確認されたすべての患者について変異ウイルスの検査をしていて、結果が出た15人のうち、
▽抗体の攻撃から逃れる「E484K」と呼ばれる変異があるウイルスが検出されたのが7人、
▽感染力が高いとされ、イギリスなどで広がった「N501Y」という変異があるウイルスが3人から検出されました。

入院患者の6割が変異ウイルスに感染していたことになります。

複数の変異株を前に、病院では、種類ごとに病室を分ける新たな対応を迫られていて、「E484K」の患者の病室には、貼り紙をして区分けを行っていました。

また、看護師ら職員は複数の変異株の患者の病室を行き来するため、職員を介してウイルスを持ち込んで混ざり合わないように、部屋に入る際には着ている防護服の上にさらに新しい防護服を着る対応を取っていました。

病院では、第4波に備えて病床を増やすことにしていますが、変異ウイルスへの対応で負担がさらに増え、懸念を抱えています。

東京医科歯科大学医学部附属病院の若林健二病院長補佐は「変異株が広まる速さに驚いています。ただでさえ暑い防護服を2重に着るようになり、体力や集中力がさらに奪われる状況です。一般診療や救急医療への影響を最小限にすることを考えながら対応していきたい」と話していました。