新型コロナ 新規感染者数 各地の傾向は…

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で前の週と比較すると、「まん延防止等重点措置」が適用された大阪府や兵庫県で拡大傾向が続いているほか、新たに適用が決まった東京都や京都府などでも感染が拡大しています。

NHKでは各地の自治体で発表される新規感染者数を元に、その日までの1週間の平均とその前の週の平均を比較して新規感染者数の傾向についてまとめました。

全国

▽先月11日までの1週間平均は前の週の1.05倍、
▽先月18日は1.10倍、
▽先月25日は1.22倍、
▽今月1日は1.44倍、
▽今月8日は1.30倍。

3月以降、感染が拡大する傾向が続いていて、8日までの1週間の平均では新規感染者数が1日当たり2700人を超えています。

大阪府

▽緊急事態宣言が解除される前の2月25日までの1週間平均は、前の週の平均と比べて0.77倍、
▽先月4日は0.94倍、
▽先月11日は1.06倍、
▽先月18日は1.40倍、
▽先月25日は1.57倍、
▽今月1日は2.39倍、
▽今月8日は1.64倍。

8日までの1週間平均は1日当たり670人以上で、依然として感染の拡大が続いています。

兵庫県

▽2月25日までの1週間平均は前の週の平均と比べて0.58倍、
▽先月4日は1.03倍、
▽先月11日は1.23倍、
▽先月18日は1.66倍、
▽先月25日は1.24倍、
▽今月1日は2.07倍、
▽今月8日は1.55倍。

8日までの1週間平均は1日当たり230人近くとなり、感染の拡大傾向が続いています。

宮城県

先月始めごろは、1週間平均の新規感染者数は1日当たり10人未満と少ない状態が続いていました。

▽先月11日までの1週間平均は前の週の平均と比べて2.06倍、
▽先月18日は1.85倍、
▽先月25日は1.86倍、
▽今月1日は1.14倍、
▽今月8日は0.73倍。

8日までの1週間平均では、1日当たりの新規感染者数は100人近いものの減少傾向となっています。

東京都・京都府・沖縄県

今月12日から「まん延防止等重点措置」の適用されることになった3都府県です。

東京都

▽先月11日までの1週間平均は前の週の平均と比べて1.01倍、
▽先月18日は1.09倍、
▽先月25日は1.08倍、
▽今月1日は1.16倍、
▽今月8日は1.15倍。

急激な増加はみられませんが、8日までの1週間平均は1日当たりの新規感染者数が420人余りで増加傾向が続いています。

京都府

▽先月4日までの1週間平均は前の週の平均と比べて0.49倍、
▽先月11日は2.76倍、
▽先月18日は0.67倍、
▽先月25日は1.60倍、
▽今月1日は2.34倍、
▽今月8日は1.89倍。

先月末から増加傾向が続いています。

沖縄県

▽先月11日までの1週間平均は前の週の平均と比べて1.12倍、
▽先月18日は1.49倍、
▽先月25日は1.75倍、
▽今月1日は1.58倍、
▽今月8日は1.29倍。

1週間平均の新規感染者数は1日当たり100人を超えていて1か月以上、増加傾向が続いています。

神奈川県・埼玉県・千葉県

「まん延防止等重点措置」が適用される東京都に隣接する
神奈川県、埼玉県、千葉県の3県です。

【神奈川県】
▽先月11日までの1週間平均は前の週の平均と比べて0.94倍、
▽先月18日は0.92倍、
▽先月25日は0.95倍、
▽今月1日は1.10倍、
▽今月8日は1.17倍。
増加傾向となっています。

【埼玉県】
▽先月11日までの1週間平均は前の週の平均と比べて1.08倍、
▽先月18日は1.09倍、
▽先月25日は0.94倍、
▽今月1日は1.11倍、
▽今月8日は1.11倍。
増加傾向となっています。

【千葉県】
▽先月11日までの1週間平均は前の週の平均と比べて0.84倍、
▽先月18日は0.95倍、
▽先月25日は0.98倍、
▽今月1日は1.05倍、
▽今月8日は0.88倍。
こちらは減少傾向となっています。

【1都3県全体】
▽先月11日までの1週間平均は前の週の平均と比べて0.98倍、
▽先月18日は1.03倍、
▽先月25日は1.01倍、
▽今月1日は1.13倍、
▽今月8日は1.10倍と増加傾向となっています。

愛知県

▽先月11日までの1週間平均は前の週の平均と比べて0.86倍、
▽先月18日は0.97倍、
▽先月25日は1.46倍、
▽今月1日は1.26倍、
▽今月8日は1.79倍。

1日当たりの新規感染者数は1週間平均で120人を超え、再び増加の傾向が著しくなっています。

福岡県

▽先月11日までの1週間平均は前の週の平均と比べて1.00倍、
▽先月18日は1.15倍、
▽先月25日は0.86倍、
▽今月1日は0.87倍、
▽今月8日は1.38倍。

増加傾向と減少傾向が入れ代わる形で推移しています。
これ以外にも感染が拡大しているところがあります。

奈良県

大阪府に隣接する奈良県では、先月下旬ごろは1週間平均の新規感染者数は1日当たり10人に満たない水準でした。

▽今月1日までの1週間平均は前の週の平均と比べて2.89倍、
▽今月8日までは1.88倍で感染が急速に拡大しています。

和歌山県

同じく大阪府に隣接する和歌山県は、先月下旬ごろは1週間平均で1日当たりの新規感染者数は10人に満たない水準でした。

▽今月1日までの1週間平均は前の週の平均と比べて1.95倍、
▽今月8日は1.97倍で、感染が拡大していて、
1日当たりの新規感染者数は20人を超えています。

愛媛県

▽先月25日までの1週間平均は前の週の平均と比べて16.57倍、
▽今月1日は1.75倍、
▽今月8日は1.14倍。

一時期に比べて増加のペースは落ちていますが、依然として増加傾向となっています。

富山県

富山県は、先月下旬までは1週間平均の新規感染者数は、1日当たり1人から2人程度で推移していましたが、
▽今月8日までの1週間平均は前の週の平均と比べて6.89倍で1日当たり8.9人と、まだ人数は少ないものの感染拡大の兆しがみられます。

専門家「地域一丸となって拡大を防ぐ気持ちで」

日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博教授は関西圏の感染状況について「大阪府や兵庫県に隣接する京都府や奈良県、和歌山県で感染者数が増加しており、大阪府などから周辺に感染が波及しているとみるべきだ。重点措置の対象となっていない地域も含め、地域一丸となって拡大を防ぐという気持ちで臨まないとさらに拡大していくおそれがある。一方、宮城県は落ち着いてきたがまだ油断はできず、しばらくは状況を慎重に見極める必要がある」と話しています。

また、東京都を含む首都圏については「沖縄県は1か月以上、また東京都は、1か月近く感染者数が増えているという状況で、現時点できちんと対策を打たなければならない時期に来ていると思う。特に東京都は関西圏のように一気に拡大するおそれもあるため、今後の状況次第では神奈川県など周辺3県もあわせた対策が必要になるかもしれない」と指摘しました。

そのうえで舘田教授は「愛知県でも再び感染者数が急増していて非常に心配な状況だ。関西圏、中部圏、首都圏と大きな都市が密集するこれらの地域で感染が拡大を続ければ、いずれ周辺の地域にも広がっていく。高齢者へのワクチン接種が進むまでは早い段階で対策を決めて感染の波ができるだけ大きくならないようにしながら時間を稼いでしのいでいけるかが重要となる」と話しています。