ソマリア沖で活動の自衛隊拠点 感染広がる 約130人で懇親会も

アフリカのソマリア沖の海賊対策に当たっている、ジブチにある自衛隊の活動拠点で新型コロナウイルスの感染が広がっている問題で、この拠点で先月末、隊員が参加するスポーツイベントが行われ、その後、およそ130人が飲食を伴う懇親会を開いていたことが分かりました。防衛省はこうした場を通して感染が広がった可能性もあるとみて調べるとともに、対策を徹底するとしています。

これは自衛隊トップの山崎幸二統合幕僚長が8日夜、記者会見を開いて明らかにしました。

ソマリア沖の海賊対策に当たる自衛隊の部隊のジブチにある拠点では、今月に入って新型コロナウイルスの感染が広がっていて、これまでにおよそ180人の隊員のうち21人の感染が確認されています。

いずれも容体は安定していて、拠点の中の宿舎で隔離されており、防衛省は現段階では任務に影響はないとしています。

防衛省によりますと、この拠点では現地時間の先月28日、隊員が参加するスポーツイベントが行われ、その後、およそ130人が飲食を伴う1時間程度の懇親会を開いていたということです。

参加者は基本的にマスクを着用するなど感染防止策はとっていたものの、中にはマスクを外していた隊員もいたということです。

また、懇親会では1人当たり缶ビール1本程度のアルコールが提供されたほか、一部の隊員は懇親会のあとも飲酒を続けていたということです。

防衛省は国内の部隊の隊員には原則、大人数での会食を禁じていますが、海外派遣中の部隊については明確なルールがなく、今回のイベントや懇親会は隊員の心身の健康を維持する目的で開催したということです。

また防衛省は今月1日にもこの拠点の隊員13人が、飲酒を伴う2時間程度の懇親会を開いていたことも合わせて明らかにしました。

一方、防衛省によりますと、先月25日にこの拠点の隊員4人が業務で外出した際、必要な届け出をせずに飲食店で食事し、このうち2人はその後、感染が確認されていて、防衛省はこうした行動やイベント、懇親会を通して感染が広がった可能性もあるとみて、詳しく調べています。

山崎統合幕僚長は記者会見で「部隊に気の緩みがあったと思う。なぜこのようなことが起こったのかを解明し、感染防止策を徹底する必要がある」と述べました。