全国の活火山活動状況 7火山に「火口周辺警報」気象庁

気象庁は、3月の全国の活火山の活動状況や警戒すべき点を発表しました。噴火が発生したり火山活動が高まったりしているとして、全国の7火山に「火口周辺警報」が、1つの海底火山に「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

火口周辺警報は7火山

噴火で火口周辺や居住地域の近くに影響が出るおそれがあるとして「火口周辺警報」が発表されているのは、
▽長野県と群馬県の県境にある「浅間山」
▽鹿児島県の「桜島」「口永良部島」「薩摩硫黄島」「諏訪之瀬島」
▽小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」の
合わせて7火山です。

噴火警戒レベル3は2火山

このうち、居住地の近くまで影響が出るおそれがある「入山規制」を示す、噴火警戒レベル3は、「桜島」と「口永良部島」に発表されています。

〈桜島〉
桜島の南岳山頂火口では噴火活動が続いていて、大きな噴石は最大で火口から1300メートルから1700メートルの4合目に達し、噴煙は最高で火口から3200メートルまで上がりました。

また、鹿児島湾にある姶良カルデラの地下には長期間にわたって供給されたマグマが蓄積された状態が続き、火山ガスの放出量が多い状態も続いていることから、噴火活動が継続すると考えられます。

気象庁は、南岳山頂火口と昭和火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

〈口永良部島〉
口永良部島では、2月21日以降、新岳の火口付近の浅い場所を震源とする火山性地震が多くなっていましたが、増減を繰り返しながら、次第に減少しています。

気象庁は、火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒し、向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲は火砕流に警戒するよう呼びかけています。

噴火警戒レベル2は3火山

火口周辺への立ち入りが規制される噴火警戒レベル2は、▽「浅間山」▽「薩摩硫黄島」▽「諏訪之瀬島」の3つの火山に発表されています。

〈諏訪之瀬島〉
諏訪之瀬島の御岳火口では、活発な噴火活動が継続していて、一時的に爆発が増加し、3月30日から31日にかけて、大きな噴石が火口から1キロ近くまで相次いで飛んだことが確認されたことから、噴火警戒レベルが3に引き上げられました。

その後、爆発の回数は減少し、4月1日以降、大きな噴石を火口から1キロ近くまで飛ばす噴火は観測されていないことから、5日に噴火警戒レベルが2に引き下げられました。

気象庁は、火口からおおむね1キロの範囲で大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

〈浅間山〉
浅間山では、3月15日ごろから山の西側で膨張を示すと考えられるわずかな傾斜変動が確認されています。

20日以降、山の浅い場所を震源とする火山性地震も増加しています。

火山活動が高まっていて、今後、山頂火口からおおむね2キロ以内に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があることから、23日に噴火警戒レベルが2に引き上げられました。

気象庁は、山頂火口からおおむね2キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

〈薩摩硫黄島〉
薩摩硫黄島では、火山性地震や微動の発生状況に特段の変化はありませんが、夜間には「火映現象」が観測され、時折、噴煙が高くなるなど、長期的には熱活動が高まった状態が続いています。

気象庁は、火口からおおむね500メートルの範囲で大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

レベル無しも警報は2火山

噴火警戒レベルが導入されていないものの「火口周辺警報」が発表されているのが、小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」です。

〈西之島〉
西之島では、2020年8月下旬以降、噴火は観測されていません。

火山活動は低下しているものの山頂火口内には噴気や高温域があり、今後噴火が再開する可能性があるとしています。

気象庁は「入山危険」を示す火口周辺警報を継続したうえで、山頂火口からおおむね1.5キロの範囲で大きな噴石や溶岩流に警戒を呼びかけています。

〈硫黄島〉
2018年9月に海底噴火が起きたと推定される硫黄島では、長期的に島全体の隆起を示す地殻変動がみられていて、火山活動はやや活発な状態で推移しています。

また、島内は全体的に地温が高く、多くの噴気孔などがあり、過去には小規模な噴火が発生しています。

気象庁は、火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあり、周辺海域では噴火に警戒するよう呼びかけています。

「福岡岡ノ場」に「噴火警報(周辺海域)」

小笠原諸島の近海にある海底火山の「福徳岡ノ場」では、周辺の海域に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあるとして、「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

海上保安庁などのこれまでの観測によりますと、周辺の海面には長期にわたって火山活動によるものとみられる変色が確認されています。

気象庁は、小規模な海底噴火が発生すると予想され、周辺海域で噴火に警戒を呼びかけています。

草津白根山の「白根山」はレベル1に引き下げ

草津白根山の「白根山」では、湯釜付近を震源とする火山性地震は引き続き発生しているものの、地震活動は1月下旬以降、低調な状態で推移しています。

また、傾斜計による観測では、湯釜付近の浅い部分での膨張によるものと考えられる明らかな変化は認められず、2月下旬以降はおおむね停滞しています。

このため気象庁は、火山活動が静穏時の状態に戻る傾向にあり、湯釜火口からおおむね1キロの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなっているとして、23日に噴火警戒レベルを1に引き下げました。

気象庁は、湯釜火口からおおむね500メートルの範囲では、ごく小規模な火山灰などの噴出の可能性があり、地元自治体の指示に従って危険な地域には立ち入らないよう呼びかけています。

警報なし・レベル1もリスク認識を

全国の活火山の中には噴火警報が発表されておらず、噴火警戒レベルが1の火山がありますが、過去に噴火を繰り返してきた活火山であることに変わりはありません。

北海道の十勝岳では、2020年6月に2000年以来となる火映が観測されたほか、火山性微動が観測されるなど、レベル1であっても火山活動は変化しています。

顕著な前兆が無い中で、突然の噴火が起こりうることも改めて認識する必要があります。

最新の情報確認を

各地の火山の活動状況や注意点は気象庁や各地の気象台、自治体のホームページなどで確認することができます。