都内 感染状況の分析結果 20代と30代の割合が目立って上昇

8日のモニタリング会議で示された都内の感染状況と医療提供体制についての分析結果です。

感染状況

新たな感染の確認は、7日時点の7日間平均が394.9人と前の週からおよそ45人増加し、依然として高い値が続いています。

専門家は、急激な感染拡大への厳重な警戒が必要だとしたうえで、「流行の主体が従来の株から変異株に移る可能性もあり、変異株の動向の的確な把握が重要だ」と述べ強い危機感を示しました。

今月5日までの1週間に感染が確認された人を年代別の割合でみると、
▽20代が最も多く27.1%、次いで
▽30代が17.6%
▽40代が14.0%
▽50代が12.9%
▽60代が7.0%
▽70代が6.5%
▽10代が5.6%
▽80代が4.2%
▽10歳未満が3.4%
▽90代以上が1.7%でした。

このうち20代と30代の割合が目立って上昇し、専門家は「若い人からほかの世代に感染が拡大する危険だけでなく若年であっても後遺症が残るリスクがある。あらゆる世代が感染リスクの当事者であるという意識を持つよう普及啓発する必要がある」と指摘しています。

65歳以上の高齢者は405人で、前の週より(前の週=536人)131人減少し、新規陽性者に占める割合は15.7%でした。

感染経路がわかっている人のうち
▽家庭内での感染が47.4%で最も多く、次いで
▽病院や高齢者施設などの施設内が17.4%でした。
このほか、
▽職場は前の週より3ポイント増えて14.7%
▽会食が2.3ポイント増えて7.4%でした。

感染経路が分かっている20代のうち、20.2%が会食での感染で前の週に比べて13ポイント近く増えました。

専門家は「施設内での感染がおよそ7ポイント低くなった一方で、職場と会食での感染が増えている。多岐にわたる場面で感染例が発生している」と分析しています。

また、「感染の広がりを反映する指標」としている感染経路がわからない人の7日間平均は、7日時点で234.1人で、前の週より(前の週=179.3人)およそ54人増えました。

専門家は「感染経路が追えない潜在的な感染拡大が危惧される。感染経路がわからない人の割合が20代から40代では60%を超える高い値だ」と指摘しました。

また、今月5日までの1週間の新規陽性者の20.0%にあたる516人は無症状で、専門家は「無症状や症状の乏しい感染者の行動範囲が広がっている可能性がある」と指摘しました。

医療提供体制

検査の「陽性率」は、7日時点で4.6%と先週の4.0%から上昇しました。

入院患者は7日の時点で1500人で、3月31日の時点より(31日=1466人)34人増えていて、3月4日以来およそ1か月ぶりに1500人台になり、増加しています。

専門家は「感染力が高い変異ウイルスの感染者が増えている。子どもの感染率が上がることなどから小児病床を含めた病床や宿泊療養および自宅療養の体制確保のための対策を検討している」と述べました。

また、都の基準で集計した7日時点の重症患者は3月31日の時点より4人減って41人となり、専門家は「横ばいで推移している」と分析しました。

そのうえで、人工呼吸器またはエクモの治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の患者などが164人いることを明らかにし、「依然として多いため重症患者の増加が危惧される」と危機感を示しました。

また、4月5日までの1週間では42人が亡くなったと都に報告がありました。

前の週からは52人減少しています。

亡くなった42人のうち41人は70代以上の高齢者でした。