昨年度の倒産企業数 20年ぶりの低水準も 資金繰り厳しい状況

昨年度、2020年度に倒産した企業の数は、新型コロナ対応として政府などが実施している資金繰り支援の影響で20年ぶりの低い水準となりました。ただ、調査会社は、感染症の影響が長期化し、企業の資金繰りは厳しい状態が続いていると指摘しています。

民間の信用調査会社、帝国データバンクによりますと、昨年度、1000万円以上の負債を抱えて法的整理の手続きをとった企業の数は7314件で、前の年度より13.8%減りました。

比較ができる2000年度以降では、2000年度に次いで2番目に少なく、負債の総額は1兆2100億円余りと、もっとも小さくなりました。

これは、新型コロナウイルスの影響を受けた企業に対し、政府系金融機関などが実質、無利子・無担保の融資を行っていることが主な要因です。

一方で、業種別の負債総額では「飲食店」が18%、「旅館、その他宿泊所」が10.9%、それぞれ増えるなど新型コロナウイルスの影響が大きい業種を中心に、資金繰りの悪化が続いています。

帝国データバンクでは「感染症の影響が長期化し、負債が10億円以上の中堅企業の倒産は前の年度から1割増えた。資金繰り支援を受けても需要が回復せずに業績が悪化した企業も多く、今年度の倒産は増加に転じる可能性もある」と話しています。