競泳 池江璃花子 女子100m自由形で優勝 400mリレーで内定

東京オリンピックの代表選考会となる競泳の日本選手権は大会6日目。午後は男女4種目の決勝が行われ池江璃花子選手ら4人が女子400メートルリレーの代表に内定しました。

池江 2種目目の優勝

▽女子100メートル自由形決勝では、すでにメドレーリレーで代表が内定している池江璃花子選手が53秒98で優勝しました。日本水泳連盟が定める個人種目の派遣標準記録は突破できませんでした。
このレースは女子400メートルリレーの代表選考も兼ねていて、優勝した池江選手、2位の酒井夏海選手、3位の五十嵐千尋選手、4位の大本里佳選手が4人の合計タイムで派遣標準記録を突破して、いずれも代表に内定しました。
今大会2冠を達成し、メドレーリレーに続いて女子400メートルリレーのオリンピック代表にも内定した池江選手は「予選からいい泳ぎができていて、決勝では絶対53秒台を出すことを目標にしていたので達成できてうれしい。正直言うと、もう少しタイムを出したかったですが、新しいチームでリレーを組むことができてうれしい」と話していました。

▽男子200メートル個人メドレー決勝は、おととしの世界選手権で優勝しすでにこの種目で代表に内定している瀬戸大也選手が競り合いを制し、1分57秒41で優勝しました。
2位には1分57秒43で萩野公介選手が入り、この種目の東京オリンピックの代表に内定しました。萩野選手はすでに男子800メートルリレーの代表に内定していますが、個人種目としては初めての内定です。

▽男子200メートル背泳ぎは入江陵介選手が1分55秒52で優勝、砂間敬太選手が1分56秒22で2位となり、ともにこの種目の東京オリンピックの代表に内定しました。

▽女子200メートル平泳ぎは渡部香生子選手が2分23秒04で優勝し、この種目の代表に内定しました。

2種目内定の池江「結果がついてきてよかった」

大会前「楽しみにしている種目」と話していた女子100メートル自由形の決勝。
池江選手は今大会、6レース目で疲労を感じていたこともあり、「納得できる泳ぎではなかった」と前半は、横並びでレースを進め、2番手で折り返しました。
それでも「後半の伸びを意識していた。しっかりできた」と残り25メートルを切ってから一気に抜け出しました。

池江選手はメドレーリレーに続いて400メートルリレーでも代表に内定し「大会前はこういう結果を狙っていなかったので、結果がついてきてよかった。リレーメンバーの4人そろって 派遣標準記録を切れたので改めてオリンピックが決まったと感じる」と喜びを口にしました。

完全には体力が戻りきっていないなかで、3年ぶりの優勝を果たした女子100メートルバタフライ決勝の翌日は「経験したことのない体の重さを感じた。今までで1番ダメージがあった」といいます。

以前は「ちゃんと行っていなかった」というウォーミングアップやクールダウンを丁寧に取り組んで回復に努めましたが、決勝を終えたあとは「まだまだ体力的にきつい感じはある。これから体力をしっかりつけていきたい」と冷静に課題と向き合っていました。
そして、2つ目の代表内定となった女子400メートルリレーについては東京オリンピックで競泳競技の初日に行われることから「初日の流れは日本チームにとって大事になってくる。オリンピックは2回目なので、雰囲気を楽しみながら自分がリレーチームを引っ張りたい」とことばに力を込めました。
2位で400メートルリレーの代表に内定した酒井夏海選手は、埼玉県出身の19歳。背泳ぎを専門とし、1メートル75センチの長身を生かした大きく伸びやかな泳ぎが持ち味で、リオデジャネイロオリンピックに日本選手団で最年少の15歳、中学3年生で初出場を果たした期待の若手です。

2017年は記録を伸ばせずに日本代表から外れましたが、ウエイトトレーニングを本格的に始めるなど、課題としていた上半身の強化に積極的に取り組んだことで泳ぎに力強さが加わり、おととしの世界選手権では100メートル背泳ぎで6位に入りました。

決勝のあと酒井選手は「とにかくこの100メートル自由形にかけていたのでほっとしている。ラスト10メートルはきつかったですが、代表をとりたい気持ちが強かったので頑張れました」と話していました。
3位で400メートルリレーの代表に内定した五十嵐千尋選手は女子800メートルリレーで代表内定条件を突破したのが自分1人だったことを念頭に「200メートル自由形が終わっても自分の中では代表に内定したと言う感じはなかった」と振り返りました。

そのうえで、「この100メートルで代表内定を決めると思って緊張感をもちながら臨んだ。4人全員が派遣標準記録を切れたのでほっとしている」と話しました。

またオリンピックに向けては「リレーでは第1泳者かアンカーでいつもプレッシャーの中でやっているが、その中でも自分の役目を果たせるようにしたい。筋力トレーニングでスピードを強化してリレーの頼れる存在になりたい」と決意を新たにしていました。
4位で400メートルリレーの代表に内定した大本里佳選手は京都府出身の23歳。自由形のスピードを武器に200メートル個人メドレーに重点を置くスイマーです。

高校2年生で国内大会を制し将来を期待されていましたが、リオデジャネイロオリンピック出場を逃したのを機に、大学4年間でいちから体作りや泳ぎを見直しました。
2019年には初めての世界選手権で200メートル個人メドレーの5位入賞。去年12月の日本選手権では100メートル自由形で同着の優勝を果たしました。

去年の春に航空会社に入社し東京オリンピックが終われば競技の第一線を退く考えで、今回の日本選手権に向けては初めての代表内定と200メートル個人メドレーの日本新記録を狙って自由形のフォーム改良や、苦手とする平泳ぎとターンの強化に取り組んできました。
決勝のレースのあと「自分には自由形しかないと思って全力で泳ぎました。今までの感謝を皆さんにお伝えできるように、そして53秒台を絶対出せるように、夏まで頑張っていきたいと思います」と話していました。

男子200m背泳ぎ 優勝の入江 2位砂間が内定

男子200メートル背泳ぎは入江陵介選手が安定した強さを見せて100メートル背泳ぎに続く2つめの代表内定を決めました。

代表選考会の重圧は「4度目でも慣れない」と話していましたが、100メートルですでに代表内定を決め、決勝は「全くプレッシャーはない」とリラックスして臨みました。

そのことばどおり序盤からトップに立つと、後半に入ってさらに後続を引き離し、目標とした「1分55秒台」で派遣標準記録を突破し危なげなく代表内定を決めました。

タイムは入江選手が1分55秒52で優勝、砂間敬太選手が1分56秒22で2位となり、ともに日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破してこの種目の東京オリンピックの代表に内定しました。

入江選手は「とにかく自分のレースに集中していた。目標としていたタイムよりは少し遅いが、無事に内定を得られてうれしく思う。世界中の人が注目するオリンピックで最高の泳ぎをして、感謝の気持ちを泳ぎで伝えられるように頑張りたい」と話していました。
2位で代表に内定した砂間選手は奈良県出身の25歳。背泳ぎと個人メドレーの選手でパワーあふれる泳ぎが持ち味です。

中でも200メートル背泳ぎでは2018年のジャカルタアジア大会で銅メダルを獲得、おととしの世界選手権にも出場しました。高い技術を武器に背泳ぎで日本のトップを走り続ける入江選手に迫るため、身長1メートル80センチ、体重80キロの体を鍛え上げ徐々にその差を縮めています。

2020年度は200メートル背泳ぎと200メートル個人メドレーでそれぞれ入江選手と萩野公介選手に次ぐベストタイムをマークしてました。
決勝のレースのあと砂間選手は「代表をとれてすごいうれしい。準決勝では思うような泳ぎはできなかったが、決勝は5年間の思いをぶつけたレースになった。このタイムでは世界と戦えないので、もっと練習して入江選手と2人で表彰台にあがれるように頑張りたい」と話していました。
リオデジャネイロオリンピック、銀メダリストの坂井聖人選手は本命のバタフライで予選敗退し、残る200メートル背泳ぎにオリンピック出場の望みをつないでいました。
しかし、決勝では派遣標準記録を突破したものの3位に終わり、2大会連続のオリピック出場を逃しました。
坂井聖人選手は福岡県出身の25歳。バタフライが専門でオリンピック初出場となったリオデジャネイロ大会は200メートルバタフライ決勝で後半に猛烈な追い上げを見せ、アメリカのマイケル・フェルプス選手にわずかな差まで迫って銀メダルを獲得しました。
2018年からは肩のけがの影響で日本代表入りを逃していて、痛む右肩を手術してからも左右のバランスが崩れた状態が続き、フォームの修正に取り組んできました。

坂井選手は今大会の200メートルバタフライで予選敗退したあと「なかなか気持ちを切り替えるのがきつかったが最後までやれることを全部やりきりたい」と話したうえで、来年5月に地元の福岡で行われる世界選手権に向けて「みんながオリンピックに行っている間に鍛えられるとプラスに考えたい」と話していました。

女子200m平泳ぎ 優勝の渡部が内定

女子200メートル平泳ぎ決勝は渡部香生子選手が100メートル平泳ぎに続いて優勝し、タイムもただ1人、派遣標準記録を突破して2つ目の代表内定を決めました。

決勝の序盤はスピードのある青木玲緒樹選手が飛び出したものの、50メートルを折り返してからは渡部選手が持ち味の大きな泳ぎでぐんぐんと加速してトップに立ちました。後半は渡部選手が徐々に後続の選手との差を広げて快勝しました。

タイムは目標の「2分22秒台」に届かなかったもののただ1人、派遣標準記録を突破しました。

渡部選手はおととしの夏に陸上トレーニング中に左ひじを骨折しましたが徐々に調子を取り戻して去年12月の日本選手権で5年ぶりに100メートルと200メートルの2冠を達成し、今大会に向けて調子を上げていました。
渡部選手は「タイムは最低でも2分22秒台は出せる調子だったので複雑です」としながらも、ほっとした様子でした。

また、モチベーションの低下やけがで調子を落とすなど苦しかった時期を思い浮かべながら「コーチや家族はつらいときに1番近くで支えてくれた」と涙ぐみました。

そして、「レースが近づくにつれてふだん感じたことのない緊張感を味わっていたが、決めるところで決められてよかった。次のオリンピックは出るだけではダメで、メダルをとれるチャンスだと思っているので、チャンスをものしたい」と気を引き締めていました。
女子200メートル平泳ぎ決勝で、ロンドンオリンピック銀メダリストの鈴木聡美選手は7位に終わり、3大会連続のオリンピック出場を逃しました。

鈴木選手は福岡県出身の30歳。平泳ぎが専門で、前半から積極的にとばす泳ぎが持ち味です。

21歳で初出場したロンドンオリンピックは200メートルで銀メダル、100メートルで銅メダルを獲得しましたが、リオデジャネイロオリンピックはメダルを逃しました。

3年前のジャカルタアジア大会はリレーを含む3種目で優勝し復活を印象づけたものの、その後は伸び悩みコーチに引退を勧められたこともあります。しかし「複雑だったが正直ほっとした」というオリンピックの延期決定から気持ちを切り替え、東京オリンピックと来年5月に地元の福岡で開かれる世界選手権を目標にキックの改良などかつての泳ぎを取り戻すための試行錯誤を続けてきました。

決勝ではピッチの速い泳ぎで序盤から積極的に前に出て前半を2位で折り返しましたが、後半に入りペースが落ちてしまいました。

男子200m個人メドレー 瀬戸が優勝 2位の萩野が内定

男子200メートル個人メドレー決勝は、おととしの世界選手権で優勝しすでにこの種目で代表に内定している瀬戸大也選手が1分57秒41で優勝しました。

2位には1分57秒43で萩野公介選手が入り、日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破してこの種目の東京オリンピックの代表に内定しました。
優勝した瀬戸選手は「公介の隣で泳ぐのは楽しいし、1番心強い仲間と一緒にオリンピックで勝負できる」と話しました。

また、ラスト50メートルで先行する萩野選手と競り合い逆転して優勝したレース展開については「後半の平泳ぎはいい感じでためて最後の自由形で勝負になると思っていた。公介とは、きのう2人で『泥仕合になるだろうね』と話していた。勝ててよかった」と振り返りました。

そのうえで、「このタイムでは世界で戦えないのでここからギアをあげたい。大会を終えて自分の課題が見えたのですごくいい大会だった。 あと3か月半、集中してトレーニングを積めれば安心してレースをもらえるようになる」と意気込んでいました。
2位に入り代表に内定した萩野選手は「代表権を獲得することできて素直にすごくうれしい。きのう2人でレースについて『最後の自由形で泥仕合になる』と話していて、本当になった。僕は最後負けてしまいましたが力を出し切ったので、夏に向けていいレースができたと思う。このままのタイムでは戦えないので、全力で夏までに仕上げていきます」と話していました。
決勝のレースのあと男女2種目で準決勝が行われました

▽男子100メートルバタフライでは、初めてのオリンピック出場を目指す川本武史選手が1組目を泳ぎ、自身が課題に上げていた最後の15メートルもスピードを落とさず、51秒00の日本記録と同タイムで全体のトップで決勝に進出しました。
おととしの世界選手権に出場した水沼尚輝選手も、51秒35と派遣標準記録を上回る好タイムで全体2位で決勝に進みました。
すでに男子200メートル自由形などで代表に内定している松元克央選手も出場し、51秒92のタイムで全体3位で決勝に進んでいます。

▽準決勝のもう1種目、女子200メートル背泳ぎは、小西杏奈選手が2分11秒58をマークし全体トップで決勝に進みました。

大会7日目 9日の予定

10:00 男子50m自由形予選
10:10 女子50m自由形予選
10:18 男子1500m自由形予選
17:05 男子100mバタフライ決勝
17:16 女子200m背泳ぎ決勝
17:27 女子800m自由形決勝
17:44 男子50m自由形準決勝
17:55 女子50m自由形準決勝