がん患者のコロナワクチン接種推奨 専門学会 主治医と相談を

新型コロナウイルスのワクチン接種についての情報をがんの専門学会がまとめ、がん患者も接種が推奨されるとして、前向きに検討するよう呼びかけました。ただ、薬物治療の内容によっては接種のタイミングを検討する必要があり、主治医と相談することが大切だとしています。

日本癌学会、日本癌治療学会、それに日本臨床腫瘍学会はがん患者のワクチン接種についての情報をQ&Aの形でまとめ、ウェブサイトで公開しました。

それによりますと、がん患者は新型コロナに感染した際に重症化するリスクがあり、接種によるメリットがリスクを上回るため、「接種が推奨される」としています。

受けている治療別に接種についての考え方が示され、手術を受ける前や受けた後、放射線治療中や治療の前後、抗がん剤など薬物治療を行っている中でも多くの場合は接種を前向きに検討すべきだとしています。

ただ、薬物の種類やタイミングによってはワクチンの効果が弱まったり、筋肉注射による血腫のリスクがあったりするほか、接種後に発熱などの症状が出ることがあるため、いつ接種するかなどについて主治医と相談するよう呼びかけています。

情報をまとめた東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は「コロナの発症を予防できれば、がん治療に影響が出るリスクも減らすことができる。がん患者に副反応が出やすいとの報告は現時点ではなく、情報を参考にして主治医と相談してほしい」と話しています。