新型コロナ 専門家会合“関西で変異ウイルスの報告も増加”

「まん延防止等重点措置」の適用について政府で検討が進められる中、新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、特に関西では感染力が高いとされる変異ウイルスの報告も増加していて今後も感染拡大が予想されるほか、これまでに大きな感染拡大がなかった地域でも急速に広がるおそれがあり医療体制の確保などの備えが必要だとしています。

31日夜に開かれた会合では、感染が急速に拡大する大阪府など関西や宮城県、沖縄県などの状況を中心に分析が行われました。

専門家会合では全国の感染状況について「3月上旬以降、新規感染者数の増加が続いている」としていて、特に関西については大阪府などで2月末に緊急事態宣言が解除されて以降、夜間の人出の増加が続き20代から30代の感染者が増えているとしています。

そして、変異ウイルスの報告も増加していて今後も感染拡大が予想されるとしていて変異ウイルスが人の移動によって他の地域に流出することをできるだけ防ぐ必要があるとしています。

また、首都圏の1都3県については特に東京都で緊急事態宣言が解除されたあと夜間の人出が急増し、若年層の感染者の割合が高くなっていて今後の感染の急拡大が懸念されるとしています。

さらに宮城県、山形県、沖縄県については若い年代から中年層を中心とした感染拡大が見られ今後も拡大が続く懸念があるとしています。
そして求められる対策として、変異ウイルスについては水際対策や検査体制の強化、それに積極的疫学調査を通じて感染源を特定し拡大を防ぐことを取ることが必要だとしています。

また、感染が拡大している地域では飲食店に対する営業時間の短縮要請や検査体制の拡充が求められるとしているほか、一部ではすでに入院調整が遅れる事態が起きていることや、これまで大きな感染拡大がなかった地域でも急速な感染拡大が生じる可能性があることから検査や医療体制の確保を進める必要があると指摘しています。

さらに、年度初めには入社や入学の際に人の移動や研修を伴うことが多いため注意が必要だとしたうえで、昼カラオケや日中も含めた長時間の会食など人が集まる機会を避け歓迎会などの恒例行事に伴う宴会を避けるなど危機感を共有できるメッセージの発信が必要だとしています。
脇田隆字座長は会合のあとの記者会見で「首都圏では感染増加が顕著とまではいかないという評価だったが、東北や関西ではかなり顕著になっていて各地で拡大が始まっていることは明らかなのではないか。関西ではいったん感染者数が減ったところに変異株が入り込んで従来のウイルスからの置き換わりが進んでいるという議論があった。関西の増加には一定程度、変異株の影響があるだろうと見ているが東北では変異株があまり検出されてない。地域によって感染拡大の状況が少し異なってきている」と話しています。