志村けんさん命日 主演予定だった映画の完成報告会

新型コロナウイルスによる肺炎で1年前に亡くなったコメディアンの志村けんさんが主演を務める予定だった映画「キネマの神様」が完成し、命日に合わせて開かれた完成報告会で、山田洋次監督や出演者が訃報を聞いたときの心境や作品に込めた思いを語りました。

「キネマの神様」は、映画監督の夢を諦めたまま年を重ねた主人公の男性が、自身が監督を務めるはずだった映画の脚本とおよそ50年ぶりに向き合い、再び夢や青春を取り戻していく物語です。

主人公の役は志村けんさんが演じることになっていましたが、去年3月29日、出演するシーンの撮影を前に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなり、沢田研二さんが代役を務めています。

志村さんの命日にあたる29日、映画の完成報告会が開かれ、山田洋次監督が「衣装合わせまで済ませたあとで主役が亡くなることは経験したことがなかったので、非常に混乱したのを今でも思い出します」と当時の心境を語ったうえで、代役を務めた沢田さんについて「志村さんをイメージして書いたものを別の形でやってくれるのではないかという可能性に賭けたが、悩みながらも引き受けてだめな男の役を鮮やかに演じてくれた」とたたえました。
また、若き日の主人公の役を務めた菅田将暉さんは「本来であれば、という出来事がたくさんあったが、完成したことがいちばんの喜びです。たくさんメッセージが詰まっている映画になっていると思います」と作品への思いを語りました。

「キネマの神様」は、ことし8月6日から公開される予定です。