日銀 金融政策決定会合 “副作用に注意しながら緩和策継続を”

日銀が金融緩和策の「点検」を行った今月中旬の会合で、委員からは金融緩和の長期化を見据え、金融機関の収益悪化など副作用にも注意しながら、今の大規模な緩和策を継続すべきという意見が相次いでいたことがわかりました。

日銀は、今月19日まで開いた金融政策を決める会合で、より効果的で持続的な金融緩和を実施するための「点検」の結果を公表し、ETF=上場投資信託の買い入れの柔軟化など、政策の修正を行いました。

この会合に参加した政策委員の「主な意見」が29日公表され、委員からは「この政策枠組みが、今後数年間、金融緩和政策の基本的指針となることを期待する」など、今の大規模な緩和策を長期的に継続することが必要だとする意見が相次ぎました。

一方で、ある委員は緩和の長期化で金融機関の収益が悪化する中、「時間の経過とともに累積していく金融システムへの副作用もつぶさに評価していく必要がある」と指摘していました。

また、目標とする2%の物価上昇率の達成が見通せない中で、「企業や家計の成長期待・インフレ期待の改善につながる企業の変革や、それを支える金融機能の強化を支援すべき」という意見も出されていました。

新型コロナウイルスの影響で、経済や物価の下押し圧力がかかり、金融緩和策の長期化が見込まれる中、日銀は引き続き難しいかじ取りを迫られています。