スエズ運河 コンテナ船座礁 周辺の土砂取り除く作業終わる

エジプトのスエズ運河で、愛媛県の会社が所有する大型のコンテナ船が座礁した事故で、エジプト当局はコンテナ船を動かすため周辺の土砂を取り除く作業が終わったと発表しました。このあとコンテナ船をタグボートでけん引し離礁を目指すとしています。

動かすには風向きや潮の流れも

アジアとヨーロッパを結ぶ海上交通の要衝、エジプトのスエズ運河で23日、愛媛県の正栄汽船が所有し、台湾の会社が運航する大型のコンテナ船が座礁し、運河がふさがれた状態になっています。

運河を管理するエジプトのスエズ運河庁は、浅瀬に乗り上げているコンテナ船を動かすため周辺の土砂を取り除く作業を進めていましたが、26日夜、作業が完了したと発表しました。

そして、大型のタグボート9隻で船のけん引を始めたということですが、コンテナ船を動かすためには、風向きや潮の流れなど条件が整うことも必要だと説明しています。

待機の船 276隻 日々増加

スエズ運河の通航の手続きを行う会社によりますと、運河の中や周辺で待機している船の数は、これまでに276隻に上り、1日およそ50隻のペースで増え続けています。

一部の船は、運河の通航を諦め、アフリカ大陸の南側を通るルートに切り替えていますが、運河を通る場合と比べて大幅に時間がかかるため、物流への影響が広がっています。

スエズ運河庁は現地時間の27日午後、日本時間の27日夜、座礁事故の発生後はじめて記者会見を開く予定で、今後の見通しが示されるかが焦点です。

専門家“船の大型化でリスク高まっていた”

今回座礁したコンテナ船は、全長400メートル、幅が59メートル総トン数はおよそ22万トンで、世界最大級の大きさです。

海運会社などを顧客として企業向けの保険を扱っているドイツの保険大手、「アリアンツ・グローバル・コーポレート・アンド・スペシャリティ」の専門家は、公式ウェブサイトで、近年、急速に進んだコンテナ船の大型化によって、事故が起きた場合のリスクは一段と高まっていたと指摘します。

この専門家によりますと、コンテナ船の積載量は50年ほど前からおよそ15倍に増加したということで、貿易の取扱量が世界的に増える中、船の大型化が急速に進んでいます。

これによって、サルベージ会社の業界では懸念が高まっていたということで「巨大船舶をスエズ運河のような限られた空間で移動させることは難しい挑戦になるだろう」と指摘しています。

そのうえで、今後の作業について「最善のシナリオは、満潮の時期に合わせてタグボートで動かすことだが、それができなければ、船を軽くすることが唯一の選択肢となる。救出活動はさらに時間がかかることになりばく大な費用もかかるだろう」としています。