“東京都の時短命令は不当” 飲食店運営会社が提訴

営業時間の短縮要請に応じていないとして、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて東京都から営業時間を短縮するよう命令を受けた飲食店の運営会社が、命令は不当だとして訴えを起こしました。

飲食店の運営会社「グローバルダイニング」は22日東京地方裁判所に訴えを起こし、東京 千代田区で長谷川耕造社長が会見を開きました。

訴えによりますと、グローバルダイニングは、今月18日に都から都内の26店舗について、「午後8時以降も営業を続け、感染リスクを高めている。ほかの飲食店の営業を誘発するおそれがある」として、営業時間を短縮するよう命令を受けました。

これについて、特別措置法は営業の自由や法の下の平等を保障した憲法に違反し、営業時間の短縮命令は違法だとして、都に賠償を求めています。
会見で長谷川社長は「店ではクラスターも起きず、営業を短縮しなくても社会やお客様に危害を加えることはないと確信していた。懲罰を与えることは許されない」と述べました。

また、弁護団の倉持麟太郎弁護士は「緊急事態宣言が必要だったのかも検証されていない。司法の場で争うことを通して、薄弱な法的根拠で、政治による決定がなされ、しわ寄せを受けている人の声なき声を伝えていきたい」と述べました。

一方、東京都は「訴状が届いておらず、コメントは差し控える」としています。

小池知事「特措法にのっとった手続き」

営業時間の短縮要請に応じていないとして、特別措置法に基づいて東京都から命令を受けた飲食店の運営会社が命令は不当だとして訴えを起こしたことについて、記者団から聞かれた小池知事は「特措法にのっとった手続きで、要請については丁寧に手続きどおりの流れでこれまでやってきている。これ以上のコメントは本日はしません」と述べました。

官房長官「飲食店の時短措置は重要」

加藤官房長官は午後の記者会見で「具体的な訴訟に関してはコメントする立場ではない」と述べました。

そのうえで、休業などの要請や指示は営業の自由を保障した憲法に反するものではないと整理されていると説明し「今回の法改正で緊急事態宣言中の命令や違反した場合の罰則を新たに規定したが、基本的な考え方は引き続き当てはまるものと認識している」と述べました。

そして「今回、宣言の解除に至ったが、感染の再拡大を防ぐための対策として飲食店における営業時間の短縮措置は非常に重要だ。各都道府県の対応になるが、要請内容を踏まえ、それぞれの店舗で対応していただくようお願いしていきたい」と述べました。