サウジ国営石油会社 去年の最終利益 前年比44%減 コロナ影響

世界最大級の石油会社「サウジアラムコ」の去年1年間の最終的な利益は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う原油需要の落ち込みを受け、前の年に比べて44%減少しました。

中東サウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコは、21日、去年1年間の決算を発表しました。

それによりますと、最終的な利益は490億ドル、日本円で5兆3000億円と、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け原油の需要が落ち込んだ影響で、前の年に比べて44%減少しました。

ナセル最高経営責任者は声明で「近年で最も厳しい年の一つとなった」と振り返る一方、ことしについては「アジアで需要が回復し、その他の地域でも前向きな兆候が見られる」として、需要が持ち直すことへの期待感を示しました。

サウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構は、ロシアなどとともに、去年5月から協力して生産を絞る「協調減産」によって原油価格の下支えをはかってきましたが、国際的な原油価格は経済回復への期待からすでに感染拡大前の水準にまで上昇し、日本国内ではレギュラーガソリンの小売価格の値上がりにもつながっています。

サウジアラビアなど主な産油国は来月、今後の生産量を決める会合を開く予定で、需要の動向をどう判断し、増産に踏み切るかが焦点となります。