EU 域内の移動制限緩和へ ワクチン接種の共通証明書案発表

EU=ヨーロッパ連合は、域内の移動制限の緩和に向けて新型コロナウイルスのワクチンを接種した人に共通の証明書を発行する制度案を発表しました。

EUでは新型コロナウイルス対策として域内での「自由な移動」が制限されていて、制限の緩和に向けてワクチンを接種した人に発行する共通の証明書の導入について議論が続けられてきました。

EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は17日、ワクチンを接種したことを証明する「デジタルグリーン証明書」の制度案を発表しました。

それによりますと、証明書にはワクチンの接種の有無に加え、接種していない人が差別的な扱いを受けないようPCR検査や抗体検査の結果も盛り込まれるということです。証明書はスマートフォンや印刷した紙に記載されたQRコードを読み取る仕組みで空港や国境などで提示することで域内を自由に移動できるとしています。

EUのフォンデアライエン委員長は記者会見で「安全かつ信頼できる形で移動の自由を取り戻すためのものだ」と述べ加盟国とヨーロッパ議会の承認を経て夏のバカンスシーズンまでに制度を導入したい考えを示しました。

一方、フォンデアライエン委員長はEU域内からのワクチンの輸出について「EUからワクチンが出て行くが、入ってこない。あらゆる選択肢がある」と述べ今後、輸出規制を強化する可能性も示唆しました。