保有金融資産 個人1948兆円 民間企業1275兆円 ともに過去最高

個人が保有する預金や株式などの金融資産は、去年12月末時点で合わせて1948兆円と、過去最高となったことが日銀の統計で分かりました。企業の金融資産も過去最高で、新型コロナウイルスの影響が長期化する中、個人、企業ともに手元の資金を厚めに確保する姿がうかがえます。

日銀が17日発表した「資金循環統計」によりますと、個人が保有する預金や株式、保険などの金融資産の合計は去年12月末時点で1948兆円となりました。

3か月前より45兆円増え、過去最高となりました。

このうち「現金・預金」は合わせて1056兆円と、これまでで最も多く、全体の54%を占めています。

日銀は新型コロナウイルスの影響で外出の機会が減り、消費が抑えられていることが背景にあるとみています。

また、去年12月末時点の民間企業の金融資産も、3か月前より63兆円増えて1275兆円と過去最高となりました。

新型コロナの影響が長期化し、景気の先行きへの不透明感が強い中、個人や企業が手元の資金を厚めに確保する姿がうかがえます。

一方、国債の発行残高は去年12月末時点で1220兆円で、このうち44.7%にあたる545兆円を日銀が保有していることが分かりました。

日銀が大規模な金融緩和で大量の資金を供給するため、国債の買い入れを進めていることで保有が増え続けています。