米モデルナ 6か月以上12歳未満対象にワクチンの臨床試験開始

アメリカの製薬会社モデルナは、12歳未満の子どもを対象に新型コロナウイルスのワクチンの有効性と安全性を確認する臨床試験を開始したと発表しました。アメリカでは学校の対面授業の安全な再開に向け、子どもたちのワクチン接種が必要だという意見が出ていて、製薬大手ファイザーも来月から12歳未満の子どもの臨床試験を開始する見通しです。

アメリカの製薬会社モデルナは16日、アメリカとカナダの子どもを対象にした臨床試験を開始し、最初の接種が行われたと発表しました。

対象となるのは生後6か月以上12歳未満で、およそ6750人の参加者を集めることを目標にしています。

モデルナのワクチンは18歳以上が接種の対象で、12歳以上18歳未満を対象にした臨床試験はすでに進められています。

アメリカで接種されているワクチンでは、このほか、製薬大手ファイザーも来月から5歳以上12歳未満の子どもを対象にした臨床試験を開始する見通しです。

アメリカでは、学校の対面授業の安全な再開やいわゆる「集団免疫」の状態に達するため、子どもへのワクチン接種が必要だという意見が出ています。

アメリカ政府の高官は臨床試験の結果に問題がなければ12歳以上はことしの秋にも、それ以下の子どもたちは来年はじめにもワクチン接種の対象になるという見通しを示しています。

ワクチン接種で対面授業再開の期待も

新型コロナウイルスの感染拡大が続く影響で、依然、多くの地域の学校でインターネットなどを利用した遠隔授業が行われているアメリカでは、児童、生徒へのワクチン接種が進めば、対面での授業が安全に再開できるようになると期待されています。

また、人口の一定の割合が新型コロナウイルスに対する免疫を獲得し、感染が広がらなくなる、いわゆる「集団免疫」の状態に達するためには、子どもたちへの接種も必要だとされています。

ベイラー医科大学小児感染症科の池田早希医師は「小児は重症化しにくい傾向はあるが、それでも一部は重症化し、命を落とすケースもある。感染した子どもが家庭内で親や祖父母に感染を広げることもあるので、ワクチン接種でこうした事態を防ぐ効果が期待できる」と話しています。