アストラゼネカ製ワクチン EU当局「メリットはリスク上回る」

アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種後に血栓が確認されたことなどを受けて、調査を行っているEU=ヨーロッパ連合の医薬品規制当局は、18日に予定している調査結果の公表を前に記者会見し「接種によるメリットはリスクを上回る」という現段階での見方を改めて示しました。

アストラゼネカなどが開発したワクチンについては接種後に血栓が確認された例が報告されているとして、これまでドイツやフランスなどヨーロッパの少なくとも15か国が予防的な措置として接種を見合わせると発表しています。

これについて、EMA=ヨーロッパ医薬品庁は16日、記者会見し「ワクチンが血栓を引き起こしたと示すものはない」として因果関係は確認できていないとの現段階での結果を改めて強調しました。

そのうえで「これまで同様、接種によるメリットはリスクを上回る」という見方を改めて示しました。

EMAはアストラゼネカワクチンの接種後に血栓が確認された例について詳細な調査を進めていて18日に結果を公表する予定です。

現在、アストラゼネカのワクチン接種を見合わせている国の多くはEMAの判断を待つとしており、結果の内容を各国が注視しています。

仏伊「速やかに接種再開の用意」

フランスのマクロン大統領とイタリアのドラギ首相は16日、電話会談を行い、アストラゼネカなどが開発したワクチンの接種を見合わせていることについて意見を交わしました。

イタリア首相府の声明によりますと、この中で両首脳はEMAが記者会見で「接種によるメリットはリスクを上回る」という見方を示したことについて「心強い」と歓迎したということです。

そして、現在の接種の見合わせはEMAが調査結果を公表する18日までの一時的で予防的な措置だと改めて強調し「調査の結果が肯定的であれば速やかに接種を再開する用意がある」としています。